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危険物取扱者/基本事項
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◆◇ 危険物資格の概要 ◇◆
● 危険物の定義
「危険物」とは消防法別表の品名欄に掲げる物品であり、同表の性質欄に掲げる性状を有するものをいい、法第2条7項で第1類~第6類までに分類されている。
一般にそれ自体が発火又は引火しやすい危険物を有している物質のみでなく、他の物質と混在することによって燃焼を促進させる物品も含まれる。
消防法上の危険物は固体または液体で、気体は含まれない。
危険物の性質の概要 |
種別 |
性質 |
概要 |
第1類 |
酸化性固体 |
そのもの自体は燃焼しないが、他の物質を強く酸化させる性質を有する個体であり、可燃物と混合したとき、熱、衝撃、摩擦によって分解し、極めて激しい燃焼を起させる危険性を有する固体。 |
第2類 |
可燃性固体 |
火災によって着火しやすい固体又は比較的低温(40度未満)で引火しやすい固体であり、燃焼が速く消火することが困難である。 |
第3類 |
自然発火性物質 及び禁水性物質 |
空気にさらされることにより自然に発火する危険性を有し、又は水と接触して発火し、もしくは可燃性ガスを発生するもの。 |
第4類 |
引火性液体 |
液体であって引火性を有する。 |
第5類 |
自己反応性物質 |
固体又は液体であって、加熱分解などにより比較的低い温度での多量の熱を発生し、又は爆発的に反応が進行するもの。 |
第6類 |
酸化性液体 |
そのもの自体は燃焼しない液体であるが、混在する他の可燃物の燃焼を促進する性質を有するもの。 |
・ 危険物の品名
危険物の品名 |
種別 |
性質 |
品名 |
第1類 |
酸化性固体 |
- 塩素酸塩類
- 過塩素酸塩類
- 無機過酸化物
- 亜塩素酸塩類
- 臭素酸塩類
- 硝酸塩類
- ヨウ素酸塩類
- 過マンガン酸塩類
- 重クロム酸塩類
- その他のもので法令の定めるもの
(過よう素酸塩類、過よう素酸、クロム、鉛又はよう素の酸化物、亜硝酸塩類、次亜塩素酸塩類、塩素化イソシアヌル酸、ペルオキソ二硫酸塩類、ペルオキソほう酸塩類、炭酸ナトリウム過酸化水素付加物)
- 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
|
第2類 |
可燃性固体 |
- 硫化りん
- 赤りん
- 硫黄
- 鉄粉
- 金属粉
- マグネシウム
- その他のもので政令で定めるもの(未制定)
- 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
- 引火性固体
|
第3類 |
自然発火性物質 及び禁水性物質 |
- カリウム
- ナトリウム
- アルキルアルミニウム
- アルキルリチウム
- 黄りん
- アルカリ金属 (カリウム及びナトリウムを除く) 及びアルカリ土類金属
- 有機金属化合物 (アルキルアルミニウム及びアルキルリチウムを除く)
- 金属の水素化物
- 金属のりん化物
- カルシウム又はアルミニウムの炭化物
- その他のもので政令で定めるもの(塩素化けい素化合物)
- 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
|
第4類 |
引火性液体 |
- 特殊引火物
(ジエチルエーテル、二硫化炭素その他、1気圧において発火点が100度以下のもの、又は引火点が零下20度以下で沸点が40度以下のもの)
- 第一石油類
(アセトン、ガソリンその他、1気圧において引火点が21度未満のもの)
- アルコール類
(1分子を構成する炭素の原子の数が1個から3個までの飽和1価アルコール(変性アルコールを含む。))
- 第二石油類
(灯油、軽油その他、1気圧において引火点が21度以上70度未満のもの)
- 第三石油類
(重油、クレオソート油その他、1気圧において引火点が70度以上200度未満のもの)
- 第四石油類
(ギヤー油、シリンダー油その他、1気圧において引火点が200度以上250度未満のもの)
- 動植物油類
(動物の脂肉等又は植物の種子若しくは果肉から抽出したものであって1気圧において引火点が250度未満のもの)
|
第5類 |
自己反応性物質 |
- 有機化酸化物
- 硝酸エステル類
- ニトロ化合物
- ニトロソ化合物
- アゾ化合物
- ジアゾ化合物
- ヒドラジンの誘導体
- ヒドロキシルアミン
- ヒドロキシルアミン塩類
- その他のもので政令で定めるもの (金属のアジ化物、硝酸グアニジン、1-アリルオキシ-2・3-エポキシプロパン、4-メチリデンオキセタン-2-オン)
- 前各号に掲げるもののいずれかを含有するもの
|
第6類 |
酸化性液体 |
- 過塩素酸
- 過酸化水素
- 硝酸
- その他のもので政令で定めるもの(ハロゲン間化合物)
- 前各号にかかげるもののいずれかを含有するもの
|
・ 危険物の試験方法
第1類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
固体 (粉末) |
酸化力の潜在的な危険性 |
燃焼試験 |
標準物質と木粉の混合物の燃焼時間と試験物質と木粉の混合物の燃焼時間を比較して判定 |
固体 (粉末) |
衝撃に対する敏感性 |
落球式打撃感度試験 |
試験物品と赤りんとの混合物に鋼球を落下させ、爆発率により判定。 |
固体 (粉末以外) |
酸化力の潜在的な危険性 |
大量燃焼試験 |
標準物質と木粉の燃焼時間と試験物質と木粉の混合物の燃焼時間を比較して判定 |
固体 (粉末以外) |
衝撃に対する敏感性 |
鉄管試験 |
試験物品とセルロース粉との混合物を鉄管内で爆発させ、鉄管の破裂の程度により判定。 |
第2類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
固体 |
火災による着火の危険性 |
小ガス炎着火試験 |
小さな炎の接触により着火し燃焼を継続するかで判定。 |
引火の危険性 |
引火点測定試験 |
引火点測定器により引火点を測定し判定。 |
第3類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
固体又は液体 |
空気中での発火の危険性 |
自然発火性試験 |
(1)(固体) 試験物品が、ろ紙の上で発火するかで判定
(2)(固体) (1)で発火しない場合、試験物品を落下させて発火で判定
(3)(液体) 試験物品を純水に入れ、可燃性ガスの発生量で判定。 |
水と接触して発火し、又は可燃性ガスを発生する危険性 |
水との反応性試験 |
(1) 試験物品を純水で湿らせたろ紙上に置き、発生するガスが発火するか、火災により着火するかにより判定。
(2) 試験物品を純水に入れ、可燃性ガスの発生量で判定。 |
第4類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
液体 |
引火の危険性 |
引火点測定試験 |
引火点測定器により引火点を測定し判定 |
第5類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
固体又は液体 |
爆発の危険性 |
熱分析試験 |
試験物品の発熱開始温度及び発熱量を標準物質から破裂板が破裂するか否かにより判定。 |
加熱分解の激しさ |
圧力容器試験 |
試験物品を破裂板を取り付けた圧力容器で加熱し、破裂板が破裂するか否かにより判定。 |
第6類の試験方法 |
形状 |
危険性 |
試験 |
概要 |
液体 |
酸化力の潜在的な危険性 |
燃焼試験 |
標準物質と木粉の混合物の燃焼時間と、試験物品と木粉の混合物の燃焼時間を比較して判定。 |
・ 危険等級
危険等級 |
等級 |
類別 |
品名等 |
I |
第1類 |
第1種酸化性固体の性状を有するもの |
第2類 |
なし |
第3類 |
カリウム・ナトリウム・アルキルアルミニウム・アルキルリチウム・黄りん・第一種自然発火性物質及び禁水性物質の性状を有するもの |
第4類 |
特殊引火物 |
第5類 |
第一種事故反応性物質の性状を有するもの |
第6類 |
すべて |
II |
第1類 |
第二種酸化性固体の性状を有するもの |
第2類 |
硫化りん・赤りん・硫黄・第一種可燃性固体の性状を有するもの |
第3類 |
危険等級 I 以外の危険物 |
第4類 |
第一石油類・アルコール類 |
第5類 |
危険等級 I 以外の危険物 |
第6類 |
なし |
III |
第1類 |
危険等級 I, II 以外の危険物 |
第2類 |
危険等級 I, II 以外の危険物 |
第3類 |
なし |
第4類 |
危険等級 I, II 以外の危険物 |
第5類 |
なし |
第6類 |
なし |
・ 指定数量
指定数量とは、危険物についてその危険性を勘案して法令で定める数量のことである。指定数量は危険物の危険性の基準となる数値なので、指定数量の数値が小さいほど危険性が大きい。
指定数量の倍数が1以上のときは危険物法令(消防法・危険物の規制に関する法令・危険物の規制に関する規制)の規制を受ける。また取り扱い・運搬は市町村長等の許可が必要。
指定数量が倍数の1未満のときは火災予防条例(市町村条例)の規制を受ける。
危険物の運搬については、指定数量の倍数に関係なく消防法の適用を受ける。航空機・船舶・鉄道による危険物の貯蔵・取り扱い・運搬については消防法の規制は受けないが。給油を行う場合は消防法の規制を受ける。
指定数量 |
種別 |
品名 |
性質 |
指定数量 |
第1類 |
|
第一種酸化性固体 |
50kg |
|
第二種酸化性固体 |
300kg |
|
第三種酸化性固体 |
1,000kg |
第2類 |
硫化りん |
|
100kg |
赤りん |
|
100kg |
硫黄 |
|
100kg |
|
第一種可燃性固体 |
100kg |
鉄粉 |
|
500kg |
|
第二種可燃性固体 |
500kg |
引火性固体 |
|
1,000kg |
第3類 |
カリウム |
|
10kg |
ナトリウム |
|
10kg |
アルキルアルミニウム |
|
10kg |
アルキルリチウム |
|
10kg |
|
第一種自然発火性物質及び禁水性物質 |
10kg |
黄りん |
|
20kg |
|
第二種自然発火性物質及び禁水性物質 |
50kg |
|
第三種自然発火性物質及び禁水性物質 |
300kg |
第4類 |
特殊引火物 |
|
50L |
第一石油類 |
非水溶性液体 |
200L |
水溶性液体 |
400L |
アルコール類 |
|
400L |
第二石油類 |
非水溶性液体 |
1,000L |
水溶性液体 |
2,000L |
第三石油類 |
非水溶性液体 |
2,000L |
水溶性液体 |
4,000L |
第四石油類 |
|
6,000L |
動植物油類 |
|
10,00L |
第5類 |
|
第一種事故反応性物質 |
10kg |
|
第二種事故反応性物質 |
100kg |
第6類 |
|
|
300kg |
● 貯蔵・仮貯蔵・仮取扱い
指定数量以上の危険物は、製造所以外の場所で製造、貯蔵、取り扱いを行なってはならない。すなわち指定数量以上の危険物を貯蔵・取扱う場合は、製造所等を設置しなければならず、設置しようとする者は、その位置、構造および設備を政令で定める技術上の基準に適合させ、市町村長等の許可を受けねばならない。
ただし、所轄消防長または消防署長の承認を受ければ、10日以内の危険、指定数量以上の危険物を仮に貯蔵し、または取扱うことができる。これを仮貯蔵または仮取り扱いという。危険の更新、延長は認められない。
● 製造所の区分
製造所の区分 |
名称 |
説明 |
製造所 |
危険物を製造する施設 |
貯蔵所 |
屋内貯蔵所 |
屋内で危険物を貯蔵または取扱う施設 |
屋外タンク貯蔵所 |
屋外にあるタンクで危険物を貯蔵または取扱う施設 |
屋内タンク貯蔵所 |
屋内にあるタンクで危険物を貯蔵または取扱う施設 |
地下タンク貯蔵所 |
地盤面より下にあるタンクで危険物を貯蔵または取扱う施設 |
簡易タンク貯蔵所 |
簡易タンクで危険物を貯蔵はたは取扱う施設 |
移動タンク貯蔵所 |
車両に固定されたタンクで危険物を貯蔵または取扱う施設。タンクローリーのこと。 |
屋外貯蔵所 |
屋外にてタンク以外の陽気(ドラム缶等)に入れて貯蔵または取扱う施設 |
取扱所 |
給油取扱所 |
固定した給油設備で自動車等に直接給油を行う施設。ガソリンスタンドのこと。 |
販売取扱所 |
容器入りのままで危険物を販売する施設のこと。第1種取扱販売所は、指定数量が15倍以下の危険物を取扱う施設。第2種取扱販売所は、指定数量が15を超え40倍以下の危険物を取り扱う施設。 |
移送取扱所 |
配管やポンプなどで危険物を移送する施設 |
一般取扱所 |
上記の給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所には当てはまらないが、危険物を取り扱う施設のこと。ボイラー室等。 |
● 各種申請手続き
各種手続き |
手続 |
項目 |
内容 |
申請先 |
許可 |
設置 |
製造所等を設置する場合 |
市町村長等 |
変更 |
製造所等の位置、構造又は設備を変更する場合 |
承認 |
仮貯蔵・仮取扱い |
製造所等以外の場所で指定数量以上の危険物を、10日以内の期間、仮に貯蔵し、又は取り扱う場合 |
所轄消防長又は消防署長 |
仮使用 |
製造所等の位置、構造又は設備を変更する場合、変更工事に係る部分以外の部分の全部または一部を仮に使用する場合 |
市町村長等 |
検査 |
完成前検査 |
タンク本体 |
液体危険物タンクについて水圧又は水張検査を受けようとする場合 |
基礎地盤 |
1,000kL以上の屋外タンク貯蔵所において基礎・地盤検査、溶接部の検査を受けようとする場合 |
溶接部 |
完成 |
設置又は変更の許可を受けた製造所が完成した場合 |
保安 |
定期 |
10,000kL以上の屋外タンク貯蔵所、特定位相取扱所にあって保安検査を受けようとする場合 |
臨時 |
10,000kL以上の屋外タンクにあって、不等沈下等の事由が発生して保安検査を受けようとする場合 |
許可 |
予防規定 |
制定 |
法令に指定された製造所等において、予防規定を制定又は変更する場合 |
変更 |
・ 設置(変更)許可申請
製造所、貯蔵所又は取扱所を設置しようとする者は、製造所、貯蔵所又は取扱所ごとに、その区分に応じて、市町村長等に申請し、許可を受けねばならない。製造所、貯蔵所又は取扱所の位置、構造又は設備を変更しようとする者も、同様の許可を受けねばならない。
設置場所と許可権者 |
設置場所 |
許可権者 |
消防本部及び消防署を設置している市町村の区域 (移送取扱所を除く) |
その区域を管轄する 市町村長 |
消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域 (移送取扱所を除く) |
その区域を管轄する 都道府県知事 |
消防本部及び消防署を設置している1の市町村の区域のみに設置される移送取扱所 |
その区域を管轄する 市町村長 |
消防本部及び消防署を設置していない市町村の区域又は2以上の市町村の区域にわたって設置される移送取扱所 |
その区域を管轄する 都道府県知事 |
2以上の都道府県の区域にわたって設置される移送取扱所 |
総理大臣 |
・ 完成検査申請
製造所等の許可を受けた者は、製造所等を設置したとき、または製造所等の位置、構造若しくは設備を変更し、その工事がすべて完了した時点で、市町村長等に完成検査の申請をし、市町村長等が行う完成検査を受け、これらが技術上の基準に適合していると認められた後でなければ、これを使用してはなりません。
・ 仮使用承認申請
既に完成検査を受け、使用中の製造所等の施設の一部で変更の工事を行う場合、変更の工事をする部分以外の部分又は一部を使用することを、市町村長等に申請し、市町村長等の承認を受けたときは、変更の工事の完成検査を受ける前においても、仮に当該承認を受けた部分を使用することが認められています。
・ 完成検査前検査
設置又は変更許可を受けた製造所等で液体の危険物を貯蔵し、又は取り扱うタンクを設置又は変更する場合は、製造所等の全体の完成検査を受ける前に、市町村長等が行う完成検査前検査を受けねばならない。ただし製造所及び一般取扱所に設置される液体危険物タンクでその容量が指定数量未満のものについては、完成検査前検査の大賞から除外されています。
完成検査前検査は、水張(水圧)検査、基礎・地盤検査及び溶接部検査の3種類があります。ただし基礎・地盤検査および溶接部検査については要領1000kL以上の液体の危険物を貯蔵する屋外貯蔵タンクに限られます。
● 各種届出手続き
各種届出手続き |
届出項目 |
内容 |
届出先 |
製造所等の譲渡又は引渡 |
製造所等の譲渡または引渡があったときは譲受人又は引渡しを受けた者は許可を受けた者の地位を譲継し、遅滞なく届け出なければならない。 |
市町村長等 |
危険物の品名・数量又は指定数量の倍数の変更 |
製造所等の位置、構造又は設備を変更しないで、貯蔵または取扱う危険物の品名、数量又は指定数量の倍数を変更しようとする者は、変更しようとする日の10日前までに届出なければならない。 |
製造所等の用途の廃止 |
製造所等の用途を廃止したときには、当該施設の所有者、管理者又は占有者は停滞なく届出なければならない。 |
危険物保安統括管理者の選出・解任 |
同一事業所において特定の製造所等を所有し、管理し、又は占有する者は危険物保安統括管理者を定めたときは、遅滞なく届け出なければならない。これを解任したときも同様とする。 |
危険物保安監督者の選任・解任 |
特定の製造所等の所有者、管理者又は占有者は危険物保安監督者を定めたときは、遅滞なく届け出なければならない。これを解任したときも同様とする。 |
● 危険物取扱者制度
免状の区分 |
種類 |
取り扱える危険物 |
立ち会い |
危険物保安統括管理者 |
危険物施設保安員 |
危険物保安監督者 |
甲種 |
全ての危険物 |
全ての危険物 |
○ |
○ |
実務経験6ヶ月以上 |
乙種 |
取得した類のみ |
取得した類のみ |
○ |
○ |
丙種 |
第4類のうち指定された危険物 |
立ち会いできない |
○ |
○ |
× |
・ 各種届出手続き
危険物取扱者免状の交付 |
種類 |
内容 |
交付 |
免状交付の申請は試験の合格を証明する書類を添え、試験を行った都道府県知事に行う。免状交付は、都道府県知事が行う。 |
書換え |
次の場合、書き換えを申請しなければならない
- 免状に記載の氏名、本籍地等に変更が生じたとき
- 免状に添付の写真が撮影から10年を超える前
|
申請に必要なもの
|
申請先
- 免状を交付した都道府県知事
- 居住地若しくは勤務地の都道府県知事
|
遅延なく申請する |
再交付 |
次の場合、再交付を申請できる
- 免状を亡失又は滅失した場合
- 免状の汚損又は破損の場合
|
申請に必要なもの
|
申請先
|
亡失免状を発見した場合
免状を亡失して再交付を受けた者は、亡失した免状を発見した場合は、10日以内に再交付を受けた都道府県知事に亡失した免状を提出しなければならない。 |
・ 免状の不交付
都道府県知事は危険物取扱者試験に合格した者でも次のいずれかに該当する者に対しては、危険物取扱者免状の交付を行わないことができる。
- 都道府県知事から危険物取扱者免状の返納を命じられ、その日から起算して1年を経過しない者
- 消防法又は消防法に基づく命令の規定に違反して罰金以上の刑に処された者で、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年を経過しないもの
・ 免状の返納
免状を交付した都道府県知事は、危険物取扱者が消防法又は消防法に基づく命令の規定に違反しているときは、危険物取扱者免状の返納を命ずることができる。
また免状の返納を命ぜられた者は、直ちに危険物取扱者としての資格を喪失します。
● 保安講習
・ 継続して危険物の取扱作業に従事している場合
製造所等において危険物の取扱作業に従事する危険物取扱者は、都道府県知事等が行う保安に関する講習を受講した日以後における最初の4月1日から3年以内に受講しなければならない。
・危険物の取扱作業に従事していなかった者が、新たに危険物の取扱作業に従事することとなった場合
危険物の取扱作業に従事していなかった者が、危険物の取扱作業に従事することになった場合は、その従事することとなった日から1年以内に受講しなければならない。
ただし、従事することとなった日の過去2年以内に危険物取扱者免状の交付を受けている場合又はは講習を受けている場合は、免状交付日又はその受講日以後における最初の4月1日から3年以内に受講しなければならない。
・ 従事しなくなった者又は従事していない者
法令上、特に受講する義務はない
● 危険物施設で災害防止のために
管理者や規程など |
区分 |
危険物保安統括管理者 |
自衛消防組織 |
危険物施設保安員 |
危険物保安監督者 |
予防規定 |
定期点検 |
製造所 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
○ |
○ (地下タンクを有する ◎) |
屋外タンク貯蔵所 |
× |
× |
× |
◎ |
○ |
○ |
屋内タンク貯蔵所 |
× |
× |
× |
○ |
× |
× |
地下タンク貯蔵所 |
× |
× |
× |
○ |
× |
◎ |
簡易タンク貯蔵所 |
× |
× |
× |
○ |
× |
× |
移動タンク貯蔵所 |
× |
× |
× |
× |
× |
◎ |
屋外貯蔵所 |
× |
× |
× |
○ |
○ |
○ |
給油取扱所 |
× |
× |
× |
◎ |
◎ |
○ (地下タンクを有する ◎) |
販売取扱所 |
× |
× |
× |
○ |
× |
× |
移送取扱所 |
○ |
○ |
○ |
◎ |
◎ |
◎ |
一般取扱所 |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ (地下タンクを有する ◎) |
● 危険物保安統括管理者
敷地内に複数の製造所等があり、下表の基準に示す大量の第4種危険物を取扱う大規模な事業所は、事業全体の保安業務を統括管理するために危険物保安統括管理者をおかねばならない。
危険物保安統括管理者になるための資格は特にない。通常、工場長など保安に関する管理的な立場の者がなる。
危険物保安統括管理者を選任・解任したときは、遅滞なく市町村長等に届け出なければならない。
市町村長等は、(1) 危険物保安統括管理者が消防法若しくは、消防法jに基づく命令に規程に違反したとき、(2) 危険物保安統括管理者の業務を遂行することが、公共の安全の維持若しくは、災害の発生の防止に師匠があるとき、製造所の所有者、管理者又は占有者に対し、危険物保安統括管理者の解任を命ずることができる。
危険物保安統括管理者を置く事業所 |
大賞となる製造所等 |
製造所 |
一般取扱所 |
移送取扱所 |
取扱う第4種の危険物の数量 |
指定数量の倍数が合計で3000以上 |
指定数量の倍数が合計で3000以上 |
指定数量以上 |
● 危険物保安監督者
危険物保安監督者になるには以下の条件を全て満たさねばならない
- 甲種または乙種の危険物取扱者。ただし乙種は取得済みの類の危険物。
- 危険物の取扱いについて6ヶ月以上の実務経験をもつ者
- 製造所等の所有者等から選任された者
危険物保安監督者の業務は、保安作業に必要な指示、監督および火災等の発生時の応急措置、連絡等である
危険物保安員をおく製造所等では、危険物施設保安院に必要な指示を出し、危険物保安員をおかない製造所等ではその代わりの業務を行う。
危険物保安監督者を必ずおかなければならない施設は、製造所、屋外タンク貯蔵所、給油取扱所、移送取扱所ボイラー等の消費や容器詰め替えを行う以外の一般取扱所である。移動タンク貯蔵所は必要ないが、それら以外の施設は指定数量がそれぞれ一定の基準 (30以上) を超える場合はおかなければならない。
製造所等の所有者、管理者、または占有者が危険物保安監督者を選任・解任したときは、遅延なく市町村長等に届け出る。
市町村長等は、(1) 危険物保安監督者が消防法若しくは、消防法jに基づく命令に規程に違反したとき、(2) 危険物保安監督者の業務を遂行することが、公共の安全の維持若しくは、災害の発生の防止に師匠があるとき、製造所の所有者、管理者又は占有者に対し、危険物保安監督者の解任を命ずることができる。
● 危険物施設保安員
危険物保安監督者の下で、製造所等の構造、設備に係る保安のための業務を行う。資格は特に必要ない。
危険物施設保安員を選任する必要がある施設は以下の通りである。
- 指定数量の倍数が100以上の製造所
- 指定数量の倍数が100以上の一般取扱所
- すべての移送取扱所
製造所の所有者、管理者又は占有者が危険物施設保安員に行わせなければならない業務は次のとおりである
- 製造所等の構造及び設備を法の技術基準に適合するよう維持するため、定期点検や臨時点検の実施、点検場所や実施した措置の記録、および保存。
- 製造所の構造及び設備に異常を発見した場合の危険物保安監督者等への連絡及び適当な措置
- 火災が発生したとき又は火災発生の危険が著しい場合の応急処置
- 計測装置、制御装置、安全装置等の機能保持のための保安管理
- 上記のほか、製造所等の構造及び設備の保安に関し必要な業務
● 予防規程
製造所等の火災を予防するために、事業所が定める自主保安基準のことである。
予防規程を定めたときとと変更するときは、市町村長等の認可を受けねばならない。
正常所等の関係者(所有者、管理者、占有者および従業者)は予防規程を守らねばならない。
予防規程が火災予防上適当ではないと思われるとき、市町村長等は変更を命ずることができる。
予防規程を定めねばならない製造所等 |
製造所等 |
予防規程を定める基準 |
製造所 |
指定数量の倍数が10以上 |
屋内貯蔵所 |
指定数量の倍数が150以上 |
屋内タンク貯蔵所 |
指定数量の倍数が200以上 |
屋外貯蔵所 |
指定数量の倍数が100以上 |
給油取扱所 |
全て定める |
移送取扱所 |
全て定める |
一般取扱所 |
指定数量の倍数が10以上 |
● 製造所等における設備等の基準維持義務
製造所等は、常に安全な状態が維持され、災害の防止が図られていなければならない。そのため、製造所等の所有者、管理者又は占有者は、製造所の位置、構造及び設備を法第10条第4項の技術上の基準に適合するように維持する義務がある。
また市町村長等は、製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に適合していないと認めるときには、製造所等の所有者、管理者又は占有者で権限を有する者に対し基準に適合するように修理、改造、移転を命じることができる。
● 定期点検
定期点検は、技術上の基準を維持するためのもので、原則として1年に1回以上実施し、記録は一部の点検を除いて3年間保存する。定期点検の義務者は、所有者、管理者、または占有者である。
点検記録には、点検して製造所等の名称、点検方法および結果、点検年月日、点検者の氏名を記録する。
危険物取扱者または危険物施設保安員は定期点検を実施できる。それ以外の者でも危険物取扱者の立会いがあれば定期点検を実施できる。
定期点検を実施しなければならない製造所等 |
製造所等 |
貯蔵、取扱う危険物の数量 |
製造所・一般取扱所 |
指定数量の倍数が10以上、および地下タンクを有するもの |
屋外貯蔵所 |
指定数量の倍数が100以上 |
屋内貯蔵所 |
指定数量の倍数が150以上 |
屋外タンク貯蔵所 |
指定数量の倍数が200以上 |
地下タンク貯蔵所 |
全て実施 |
移動タンク貯蔵所 |
全て実施 |
給油取扱所 |
地下タンクを有するもの |
移送取扱所 |
全て実施 |
● 保安検査
規模の大きい屋外タンク貯蔵所及び移送取扱所については、設備の不備、欠陥による事故が発生した場合、その被害や社会的影響が非常に大きいことから、特に市町村長等が行う保安検査が義務付けられている。保安検査は、定期に受けるべき定期保安検査と、特定の事由が発生した場合に受けるべき臨時保安検査の2種類がある。
検査対象、時期、検査事項 |
項目 |
定期保安検査 |
臨時保安検査 |
屋外タンク貯蔵所 |
移送取扱所 |
屋外タンク貯蔵所 |
検査対象 |
容量10,000kL以上 |
配管の延長が15kmを超えるもの、配管の延長が7~15km以下でかつ最大常用圧力が0.95Mpa以上 |
容量10,000kL以上 |
検査時期・事由 |
原則として8年/1回 岩盤タンクは10年/1回 特殊危険タンクのうち地中タンクは13年/1回 |
原則として1年/1回 |
1/100以上の不等沈下発生 岩盤タンクおよび地中タンクにあっては危険物または可燃性蒸気の漏えいのおそれがあること等 |
検査事項 |
タンク底部の板厚及び溶接部 |
移送取扱所の構造及び設備 |
タンク底部の板厚及び溶接部、岩盤タンクの構造および設備 |
● 自衛消防組織
大規模な危険物を有する事業所においては、火災等の事故が発生した場合、その被害を最小限とするため、その規模に応じて自衛消防組織を編成することが義務付けられている。
該当する事業所において取扱う危険物の指定数量の倍数に応じて、人員数、化学消防自動車の台数が定められている。なお2以上の事業所間で災害が発生した場合の相互応援に関する規程が締結されている事業所については、編成の特例が認められている。
設置義務のある事業所 |
製造所等 |
取扱う第4類の危険物の数量 |
製造所 |
指定数量の3,000倍以上 |
一般取扱所 |
指定数量の3,000倍以上 |
移送取扱所 |
指定数量以上 |
◆◇ 製造所等の位置・構造・設備の基準 ◇◆
● 製造所の基準
・保安距離
付近の住宅、学校病院等の保安対象物に対し、製造所の火災、爆発等の災害が影響を及ぼさないよう、延焼防止、避難等のために確保する距離。保安対象物からその製造所の外壁又はこれに相当する工作物の外側までの間に一定の距離が必要。ただし以下の(イ)~(ハ)の建築物については不燃材料で造った防災上有効な塀を設けること等により、市町村長等が防災上安全であると認めた場合には、市町村長等が定めた距離とすることができる。
保安距離の例 |
記号 |
施設 |
距離 |
イ |
同一敷地内にある住居 |
10m以上 |
ロ |
多数の人を愁傷する施設 劇場・映画館等の施設、小学校・中学校・高等学校・幼稚園等、病院。保養施設、児童福祉施設、有料老人ホーム、身体障害者社会参加支援施設、障害者支援施設、障害者職業能力開発校等 |
30m以上 |
ハ |
重要文化財、重要有形民俗文化財、史跡、重要美術品等の建造物 |
50m以上 |
ニ |
高圧ガス、液化石油ガスの施設 |
20m以上 |
ホ |
7,000ボルトを超え、35,000ボルト以下 |
3m以上 |
ヘ |
35,000ボルトを超える |
5m以上 |
・保有空地
消防活動及び延焼防止のために、製造所の周囲に確保する空地。空地内には、どのような物品であっても置くことはできない。空地の幅は、防災上有効な隔壁を設けた場合には緩和が認められる。
保有空地 |
区分 |
空地の幅 |
指定数量の倍数が10以下の製造所 |
3m以上 |
指定数量の倍数が10を超える製造所 |
5m以上 |
保安距離・保有空地の必要な施設 |
施設 |
保安距離 |
保有空地 |
製造所 |
○ |
○ |
屋内貯蔵所 |
○ |
○ |
屋外貯蔵所 |
○ |
○ |
屋外タンク貯蔵所 |
○ |
○ |
屋内タンク貯蔵場 |
× |
× |
地下タンク貯蔵場 |
× |
× |
簡易タンク貯蔵場 |
× |
○ (屋外設置) |
移動タンク貯蔵場 |
× |
× |
給油取扱所 |
× |
× |
販売取扱所 |
× |
× |
移送取扱所 |
× |
○ (地上設置) |
一般取扱所 |
○ |
○ |
・構造
- 建築物は地階を有しない。
- 建築物の壁、柱、床、はり及び階段は不燃材料。
- 屋根は不燃材料で造るとともに金属板等の軽量な不燃材料でふく。
- 建築物の窓及び出入口は、防火設備とし、ガラスを用いる場合は網入りガラスとしなければならない。
- 液状の危険物を取扱う建築物の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜をつけ、かつ貯留設備を設けなければならない。
・設備
- 建築物には、採光、照明、換気の設備を設けるとともに、可燃性蒸気等が滞留するおそれがある建築物には、その蒸気等を屋外の高所に排出する設備を設けなければならない。
- 屋外において液状の危険物を取扱う設備には、その直下の地盤面の周囲に高さ0.15m以上の囲いを設け、又はこれと同等以上の効果があると認められる措置を講ずるとともに、その地盤面は、コンクリート等危険物が浸透しない構造とし、かつ、適当な傾斜および貯留設備を設けなければならない。
- 危険物を取扱設備は、危険物が漏れ、あふれ又は飛散しない構造としなければならない。
- 危険物を加熱する等温変化が起こる設備には、温度測定装置を設けなければならない。
- 危険物を加熱し、又は乾燥する設備では、直火を用いないことになっている。
- 危険物を加圧する設備又は圧力が上昇するおそれのある設備には、圧力計及び安全装置を設けなければならない。
- 電気設備は、電気工作物に係る法令に基づき設置し、可燃性ガス等が滞留するおそれのある場所に設置する機器は防爆設備としなければならない。
- 静電気が発生するおそれのある設備には、設置等有効に静電気を除去する装備を設けなければならない。
- 配管の位置、構造及び設備の基準は次の通り
- 設置条件や使用状況に照らして、十分な強度を有するものとし、当該配管にかかる最大常用圧力の1.5倍以上の圧力で水圧試験を行ったとき、漏えいその他の異常がないものでなければならない。
- 取扱う危険物により容易に劣化するおそれのないものでなければならない。
- 火災等による熱によって容易に変形するおそれのないものでなければならない。(地下その他の火災等により悪影響を受けるおそれのない場所を除きます)
- 総務省令で定めるところにより、外面の腐食を防止する措置を講じなければならない。(設置される条件の下で腐食するおそれのないものである場合を除きます。)
- 配管を地下に接地する場合には、配管の接合部分からの危険物の漏えいを点検することができる措置を講じること。(溶接のように漏えいのおそれのないと認められる方法により接合される場合を除きます。)
- 配管に加熱又は保温のための設備を設ける場合には、火災予防上安全な構造としなければならない。
- 地上に設置する場合には、地震、風圧、地盤沈下、温度変化による伸縮等に対し安全な構造の支持物により支持しなければならない。さらに、支持物は、鉄筋コンクリート構造又はこれと同等以上の耐火性を有するものとしなければならない(火災により変更するおそれのない場合を除く)
- 地下に設置する場合には、その上部の地盤面にかかる重量が当該配管にかからないように保護することとなっている。
- 指定数量の倍数が10倍以上の製造所には、日本工業規格に基づき避雷設備を設けなければならない。
・その他
引火点が100度以上の第4類の危険物(以下「高引火点危険物」という)を取扱う製造所等には基準の特例、またはアルキルアルミニウム等、アセトアルデヒド等及びヒドロキシルアミン等を取扱う製造所等にあっては、基準を超える特例が定められています。
● 屋内貯蔵所の基準
・位置
保安距離は製造所の基準を準用。保有空地は以下の通り。
保安距離・保有空地の必要な施設 |
指定数量の倍数 |
壁、柱、床が耐火構造の場合 |
壁、柱、床が耐火構造以外の場合 |
5以下 |
0m |
0.5m以上 |
5を超え、10以下 |
1m以上 |
1.5m以上 |
10を超え、20以下 |
2m以上 |
3m以上 |
20を超え、50以下 |
3m以上 |
5m以上 |
50を超え、200以下 |
5m以上 |
10m以上 |
200を超える |
10m以上 |
15m以上 |
・構造
- 一定の場合を除き貯蔵倉庫は、独立した専用の建築物とする必要がある。
- 貯蔵倉庫は、地盤面から軒までの高さ(以下「軒高」という)が6m未満の平屋建てとし、床は地盤面以上とする必要がある。(注:第2類又は第4類の危険物のみの貯蔵庫のうち、必要な措置(規則第16条の2)を講じているものについて軒高は20m未満とすることができる。)
- 床面積は1,000m2を超えないこと
- 壁、柱及び床を耐火構造(延焼のおそれのある外壁は、出入口以外の開口部を有しないこと)とし、かつ、はりを不燃材料で造る必要がある。
- 屋根を不燃材料で造るとともに、金属板等の軽量な不燃材料でふき、かつ、天井を設けてはならない。(建物内で爆発があったとき、爆風が上に抜けるよう、屋根は軽量にする必要がある)
- 窓及び出入口は、防火設備を設ける必要がある
- 窓、出入口にガラスを用いる場合は、網入りガラスとする必要がある
- 液状の危険物の貯蔵倉庫の床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、適当な傾斜を付け、かつ、貯留設備を設ける必要がある。
・設備
- 貯蔵倉庫に架台を設ける場合は、不燃材料で造る必要がある
- 貯蔵倉庫には、採光、照明、及び換気の設備を設けるとともに、引火点が70度未満の危険物の貯蔵倉庫にあっては、滞留した可燃性蒸気を屋根上に排出する設備を設ける必要がある。
- 電気設備は、電気工作物に係る法令に基づき設置し、可燃性ガス等が滞留するおそれのある場所に設置する機器は防爆設備としなければならない。
- 指定数量の倍数が10倍以上の製造所には、日本工業規格に基づき避雷設備を設けなければならない。
・その他
次に掲げる屋内貯蔵所には、基準の緩和や特例がある
- 平屋以外の屋内貯蔵所
- 改装設置の屋内貯蔵所
- 高引火点危険物の屋内貯蔵所
- 指定過酸化物、アルキルアルミニウム等の屋内貯蔵所
● 屋外タンク貯蔵所の基準
・位置
保安距離
保安距離は製造所の基準を準用。
敷地内距離
屋外タンク貯蔵所のみに義務付けられたもの。火災により隣接敷地への延焼を防止するためのもの。タンクの側板から敷地境界線まで確保しなければならない距離は以下の通り。
敷地内距離 |
危険物の引火点 |
石油コンビナート等火災防止方による第1種又は第2種事業所に存する屋外貯蔵タンク(1,000kL以上)の敷地内距離 |
それ以外の屋外貯蔵タンクの敷地内距離 |
21度未満 |
1.8D又はH若しくは50mのうち最大の数値以上の距離 |
1.8D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
21度以上70度未満 |
1.6D又はH若しくは40mのうち最大の数値以上の距離 |
1.6D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
70度以上 |
1.0D又はH若しくは30mのうち最大の数値以上の距離 |
1.0D又はHのうち大きい数値以上の距離 |
D:タンクの直径
H:タンクの地盤面からの高さ
保有空地
危険物を貯蔵する屋外貯蔵タンクの周囲には、その貯蔵する危険物の指定数量の倍数に応じて、所定の幅の空地を保有しなければならない。
保有空地 |
区分 |
空地の幅 |
500以下 |
3m以上 |
500を超え、1,000以下 |
5m以上 |
1,000を超え、2,000以下 |
9m以上 |
2,000を超え、3,000以下 |
12m以上 |
3,000を超え、4,000以下 |
15m以上 |
4,000を超える |
タンクの直径又は高さのうち大なるものに等しい距離以上。ただし15m未満とすることはできない。 |
・構造
- 屋外貯蔵タンク (特定屋外貯蔵タンクと準特定屋外貯蔵タンク、固体の危険物の屋外貯蔵タンクを除く) は厚さ3.2mm以上の鋼板で作り、圧力タンクの場合は最大常用圧力の1.5倍の圧力で10分間行う水圧試験に、それ以外のタンクの場合には水張試験に合格したものでなければならない。
- 屋外貯蔵タンクは、地震、風圧に耐える構造とし、その支柱は鉄筋コンクリート造、鉄骨コンクリート造その他これらと同等以上の耐火性能を有するものとする必要がある。
- 屋外貯蔵タンクは、内圧が異常に高くなった場合、内部のガス等を上部に放出できる構造とする必要がある。
- 屋外貯蔵タンクは外面にさび止めのための塗装をするとともに、底板を地盤面に接して設けるものにあっては、底板の外面の腐食を防止するための措置を講ずる必要がある。
・設備
- 圧力タンクには安全装置を設ける必要がある。なお安全装置の基準は製造所と同じである。圧力以外のタンクには、無弁通気管又は大気弁付通気管を設ける必要がある。
- 液体の危険物の屋外貯蔵タンクには危険物の量を自動的に表示する装置を設ける必要がある。
- 注入口は、注入ホース又は注入管と結合することができ、危険物がもれないものであり、弁又はふたを設けるとともに、ガソリン等静電気が発生するおそれのがる液体の危険物のタンクの注入口付近には静電気を有効に除去する接地電極を設ける必要がある。
- ポンプ設備は、原則として周囲に3m以上の空地を確保するとともに、構造、設備については政令第11条第1項第10号の2の規程による。
- 配管の材質は、製造所の基準と同じである。弁については鋳鋼又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造る必要がある。
- 指定数量の倍数が10倍以上の屋外貯蔵タンク貯蔵所には、日本工業規格に基づき避雷設備を設けなければならない。
- 液体の危険物(二硫化炭素を除く)の屋外貯蔵タンクの周囲には防油堤を設けなければならない。
防油堤の基準
- 防油堤の容量は、タンク容量の110%以上 (非引火性のものにあっては防油堤の容量は100%以上) とし、2以上のタンクがある場合は、最大であるタンクの容量の110%以上としなければならない。
- 防油堤の高さは0.5m以上。
- 防油堤内の面積は80,000m2以下。
- 防油堤内に設置するタンクの数は、10以下。ただし引火点により緩和規定がある。
- 防油堤は、周囲が構内道路に接するように設けなければならない。
- 防油堤は、鉄筋コンクリート又は土で造り、かつ、その中に収納された危険物が防油堤の外に流出しない構造でなければならない。
- 防油堤には、その内部の滞水を外部に排出するための水抜き口を設けるとともに、これを開閉する弁等を防油堤の外部に設けなければならない。(通常、水抜き口は閉じておく)
- 高さが1mを超える防油堤等には、おおむね30mごとに堤内に出入りするための階段を設置し、又は土砂の盛り上げ等を行う必要がある
・その他
- 浮き蓋付特定屋外タンク貯蔵所には、当該貯蔵所に係る技術上の基準がある
- 高引火点危険物のみを貯蔵し、又は取扱う屋外タンク貯蔵所及び岩盤タンク等には基準の特例がある
- アルキルアルミニウム、アセトアルデヒド等を貯蔵し、又は取扱う屋外タンク貯蔵所については、基準を超える特例がある
● 屋内タンク貯蔵所の基準
・位置
保安距離、保有空地の規制はない。
・構造
- 危険物を貯蔵し、又は取扱う屋内タンクを「屋内貯蔵タンク」という。
- 屋内タンクは、原則として平屋建てのタンク専用室に設置する。
- 屋内貯蔵タンクとタンク専用室の壁、及び同一のタンク専用室に2以上の屋内貯蔵タンクを設置する場合、タンク相互に0.5m以上の間隔を保つ必要がある。
- 屋内貯蔵タンクの容量は指定数量の40倍以下とする。ただし第4石油類及び動植物油類以外の第4類の危険物については、20,000L以下としなければならない。
- 屋内貯蔵タンク本体の構造は、屋外貯蔵タンクと同じである。
- タンク専用室の構造は、原則として壁、柱及び床を耐火構造(延焼のおそれのある外壁は、出入り口以外の開口部を有しないこと)とし、はり及び屋根を不燃材料で造るとともに、窓及び出入口には防火設備(延焼のおそれのある外壁に設ける出入口は自閉式の特定防火設備)を設けなければならない。
- タンク専用室は、屋根を不燃材料で造り、かつ天井を設けてはいけない。
- タンク専用室の窓又は出入り口にガラスを用いる場合には、網入りガラスとする。
- 液状の危険物の屋内貯蔵タンクを設置しているタンク専用室の床は、危険物が浸透しない構造とし、適当な傾斜を付け、かつ、貯留設備を設けるとともに、タンク専用室の出入り口のしきいの高さは床面から0.2m以上としなければならない。
・設備
- 配管は製造所の基準を準用する
- 採光、照明、換気及び排出設備は、屋内貯蔵所の基準を準用する。
- ポンプ設備は、タンク専用室の存する建築物以外の場所に設ける場合にあっては、屋外貯蔵タンクのポンプ設備の基準を準用し、タンク専用室の存する建築物にあっては規則により設けなければならない。
- 弁、注入口は屋外貯蔵タンクの基準を準用する。
- 圧力ガンクには安全装置を設ける必要がある。
- 圧力タンク以外のタンクには、無弁通気管を設ける必要がある。
- 先端は屋外にあって地上4m以上の高さとし、かつ、建築物の窓、出入り口等の開口部から1m以上離す必要がある。
- 引火点が40度未満の危険物については、先端を敷地境界線から1.5m以上離す必要がある
- 高引火点危険物のみを100度未満で貯蔵し、又は取扱うタンクに設ける通気管の先端は、タンク専用室内とすることができる。
- 耐油するおそれがある屈折をさせてはならない
- その他屋外タンク貯蔵所の例による
- 液体の危険物の屋内貯蔵タンクには、危険物の量を自動的に表示する装置を設ける必要がある。
- 電気設備は、電気工作物に係る法令に基づき設置し、可燃性ガス等が滞留するおそれのある場所に設置する機器は防爆設備としなければならない。
● 地下タンク貯蔵所の基準
・位置
保安距離、保有空地の規制はない。
・構造
- タンク室に設置する方法
- 二重殻タンク
- 鋼製タンク (SSタンク)
- 鋼製強化プラスチック製タンク (SFタンク)
- 強化プラスチック製タンク (FFタンク)
- 二重殻タンク以外のタンク
- 直接地盤面下に埋没する方法
- 二重殻タンク
- 鋼製タンク (SSタンク)
- 鋼製強化プラスチック製タンク (SFタンク)
- 強化プラスチック製タンク (FFタンク)
- コンクリートで被覆して地盤面下に埋没する方法
- 地下貯蔵タンク(二重殻タンク以外のタンク)を地盤面下に設けられたタンク室に設置する例
- 地下貯蔵タンクは地盤面下に設けられたタンク室に設けなければならない。
- 地下貯蔵タンクとタンク室の内側とは0.1m以上の間隔を保ち、周囲に乾燥砂を詰める必要がある。
- 地下貯蔵タンクの頂部は、0.6m以上地盤面から下になければならない。
- 地下貯蔵タンクを2以上隣接して設置する場合は、その相互間に1m以上(2以上の地下貯蔵タンクの容量の総和が指定数量の100倍以下の場合は0.5m)の間隔を保つ必要がある。
- 地下貯蔵タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造らなければならない。
- 圧力タンクの場合は、最大常用圧力の1.5倍の圧力で、それ以外のタンクの場合は70kPaの圧力でそれぞれ10分間行う水圧試験において、漏れ、又は変形しないように造らなければならない。
- 地下貯蔵タンクの外面は規則で定める保護をしなければならない。
- タンク室は、そのタンクの自重、地下貯蔵タンクやその貯蔵する危険物の重量、土圧、地震の影響等の荷重による応力や変更に対して安全でなければならない。
- 鋼性二重殻タンク (SSタンク) を設置する例
- 二重部分の範囲は、地下貯蔵タンクの底部から危険物の最高液面を超える部分までの外側に取り付けなければならない。
- 外殻タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板でなければならない
- 中間層は鋼板の腐食を防止する措置を講じた液体を満たしておく必要がある。
- 二重殻タンクの頂部の地盤面から距離、2以上のタンクを埋没する場合のタンク間の距離、地下貯蔵タンクの材質、板厚及び強度に関する事項、水圧試験に係る内容については、地下貯蔵タンクの 3~6 の例による。
- 地下貯蔵タンクに、規則で定めるところにより鋼板を間隙を有するように取り付け、かつ、危険物の漏れを常時検知するための規則で定める設備を設ける必要がある。
- 地下貯蔵タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板で機密に造らなければならない。
- 地下貯蔵タンク又は、鋼製二重殻タンクの外面は、規則で定めるところによい保護しなければならない。
- タンク室に設置する場合、間隔とタンク室の構造は、地下貯蔵タンクの例による
- 地盤面下に直接埋没する場合、二重殻タンクがその水平投影の建ておよび横よりそれぞれ0.6m以上大きく、かつ、厚さ0.3m以上の鉄筋コンクリート造のふたで覆われている。ふたにかかる重量が直接二重殻タンクにかからない構造である。二重殻タンクがけんこな基盤に固定されている。
- 鋼性強化プラスチック製二重殻タンク (SFタンク) を設置する例
- 地下貯蔵タンクに、規則で定めるところにより強化プラスチックを間隙にするように被覆し、かつ、危険物の漏れを検知するための規則で定める設備を設けなければならない。
- 外殻タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板でなければならない
- 二重殻タンクの頂部の地盤面から距離、2以上のタンクを埋没する場合のタンク間の距離、地下貯蔵タンクの材質、板厚及び強度に関する事項、水圧試験に係る内容については、地下貯蔵タンクの 3~6 の例による。
- タンク室に設置する場合、地盤面下に直接埋没する場合は、それぞれ鋼性二重殻タンクの8,9による。
- 強化プラスチック製二重殻タンク (FFタンク) を設置する例
- 外殻タンクは厚さ3.2mm以上の鋼板でなければならない
- 二重殻タンクの頂部の地盤面から距離、2以上のタンクを埋没する場合のタンク間の距離、地下貯蔵タンクの材質、板厚及び強度に関する事項、水圧試験に係る内容については、地下貯蔵タンクの 3~6 の例による。
- 地下貯蔵タンクの内殻に用いる強化プラスチックは、そのタンクで貯蔵し、又は取扱う危険物を用いた、日本工業規格K7070で定める耐薬品性試験において、日本工業規格K7012の6.3に定める基準に適合することがあらかじめ確認されていなければならない。ただし、自動車ガソリン、灯油、軽油又は重油については確認の必要がない。
- 荷重に対して規則で定める安全な構造としなければならない。
- タンク室に設置する場合、地盤面下に直接埋没する場合は、それぞれ鋼性二重殻タンクの8,9による。
- 地下貯蔵タンクをコンクリートで被覆して地盤面下に埋没する例
- 地下貯蔵タンクからの危険物の漏れを防止するため、規則により、適当な防水ソチを講じた厚さ0.15m (側方及び下方にあっては、0.3m) 以上のコンクリートで被覆した構造にする必要がある。
- 地下貯蔵タンクの外面は、規則で定めるところにより告示第4条の48、第4条の49に掲げるいずれかの方法で保護しなければならない。
- 地下貯蔵タンクの基礎等は、次による。
- タンクがその水平投影の縦及び横よりそれぞれ0.6m以上大きく、かつ、厚さ0.3m以上の鉄筋コンクリート造のふたで覆われている。
- ふたにかかる重量が直接タンクにかからない構造である。
- タンクが堅固な基礎の上に固定されている
- 地下貯蔵タンクの頂部は、0.6m以上地盤面から下になければならない。
- 地下貯蔵タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板又はこれと同等以上の機械的性質を有する材料で造らなければならない。
- 圧力タンクの場合は、最大常用圧力の1.5倍の圧力で、それ以外のタンクの場合は70kPaの圧力でそれぞれ10分間行う水圧試験において、漏れ、又は変形しないように造らなければならない。
・設備
- 地下タンク貯蔵所には標識及び掲示板を設けなければならない。
- 圧力タンクには安全装置を設けなければならない。なお安全装置の基準は製造所と同じである。
- 圧力タンク以外のタンクには無弁通気管又は大気弁付通気管を設けなければならない。
- 液体の危険物タンクには危険物の量を自動的に表示する装置を設けなければならない。
- 注入口は、屋外に設けるほか屋外貯蔵タンクの基準を準用する。
- ポンプ設備は、ポンプ及び電動機を地下貯蔵タンク外に設ける場合は、屋外貯蔵タンクのポンプ設備の基準を準用し、ポンプ又は電動機を地下貯蔵タンク内に設ける場合は規則に定めるところにより設ける。
- 配管は頂部にとりつけるほか製造所の基準を準用する
- 配管は頂部につける他の製造所の基準を準用する
- 電気設備は、製造所の基準を準用する
- 地下貯蔵タンクには、危険物の漏れを検知する設備を設ける必要がある
・その他
- アルキルアルミニウム等の危険物を貯蔵・取扱う場合は特例が認められている。
● 地下タンク貯蔵所の基準
・位置
保安距離の規制はない。
屋外に設置する場合は、簡易貯蔵タンクの周囲に1m以上の空地を確保する必要がある。
・構造
- 簡易タンク1基の容量は600L以下とする。
- ひとつの簡易タンク貯蔵所には簡易タンクを3基まで設置することができるが、同一品質の危険物は2基以上設置できない。
- 簡易タンクをタンク専用室に設ける場合は、タンクと専用室の壁との間に0.5m以上の間隔を保つ必要がある。なおタンク専用室の構造は、屋内タンク貯蔵所のタンク専用室の基準を準用する。
- 簡易貯蔵タンクは、容易に移動しないように地盤面、架台等に固定する必要があある。
- 簡易貯蔵タンクは、厚さ3.2mm以上の鋼板で造り、その外面にさび止めの塗装をするとともに、70kPaの圧力で10分間行う水圧試験において漏れまたは変形しないものでなければならない。
・設備
- 簡易貯蔵タンクには通気管を設ける必要がある
- 簡易貯蔵タンクには給油又は注油のための設備を設ける場合は、給油取扱所の固定給油設備又は固定注油設備の基準による。
● 移動タンク貯蔵所の基準
・位置
保安距離、保有空地の規制はない。
車両を常置 (駐車) する場所は、下記のようにしなければならない。
- 屋外の場合:防災上安全な場所
- 屋内の場合:耐火構造又は不燃材料で造った建築物の1階
・構造
- 移動タンク貯蔵所は厚さ3.2mmの鋼板又は、これと同等以上の機械的性質を有する材料で気密に造るとともに、圧力タンクにあっては最大常用圧力の1.5倍の圧力で、それ以外のタンクにあっては70kPaの圧力で、それぞれ10分間行う水圧試験において漏れ、変形しないものでなければならない。
- 移動貯蔵タンクの容量は30,000L以下とし、4,000L以下ごとに区切る間仕切り板を設け、容量が2,000L以上のタンク室には防波板を設ける必要がある。
- 移動貯蔵タンクには安全装置を設けるとともに保護するため防護枠、側面枠を設けなければならない。
- 移動貯蔵タンクの外面には、さび止めの塗装をしなければならない。
・設備
- 移動貯蔵タンクの株に排出口を設ける場合は、排出口に底弁を設けるとともに、原則として非常時に備え、その底弁に手動閉鎖装置及び自動閉鎖装置を設けなければならない。
- 移動貯蔵タンクの配管は、先端部に弁等を設けなければならない。
- 可燃性の蒸気が滞留するおそれのある場所に設ける電気設備は、可燃性の蒸気に引火しない構造としなければならない。
- ガソリン、ベンゼン等静電気による災害が発生するおそれのある液体の危険物の移動貯蔵タンクには設置導線を設けなければならない。
- 液体の危険物の移動貯蔵タンクには、危険物を貯蔵し、又は取扱うタンクの注入口と結合できる結合金具を備えた注入ホースを設けなければならない。
- 移動貯蔵タンクには、そのタンクが貯蔵し、又は取扱う危険物の類、品名及び最大数量を表示する設備を見やすい箇所に設けるとともに標識を掲げなければならない。
・その他
- 積載式移動タンク貯蔵所、航空機又は船舶に直接給油する設備を備えた移動タンク貯蔵所にあっては、基準の特例がある。
- アルキルアルミニウム、アセトアルデヒド等を貯蔵し、又は取扱う移動タンク貯蔵所については、基準を超える特例がある。
● 屋外貯蔵所の基準
・位置
保安距離は製造所の基準を準用。
屋外貯蔵所の基準 |
指定数量の倍数、区分 |
空地の幅 |
10以下 |
3m以上 |
10を超え20以下 |
6m以上 |
20を超え50以下 |
10m以上 |
50を超え200以下 |
20m以上 |
200を超える |
30m以上 |
・構造・設備
- 貯蔵場所は、湿潤でなく、かつ排水のよい場所である必要がある
- 周囲には、さく等を設けて明確に区分する必要がある。
- 架台を設ける場合には、不燃材料で造るとともに、堅固な地盤面に固定する必要がある。
- 架台の高さは、6m未満にする必要がある。
・貯蔵できる危険物
屋外貯蔵所に貯蔵できる危険物 |
区分 |
危険物 |
第二種 |
- 硫黄、硫黄のみを含有するもの
- 引火性固体 (引火点が0度以上のもの)
|
第四類 |
- 第一石油類 (引火点が0度以上のもの。ガソリンは不可)
- アルコール類
- 第二石油類
- 第三石油類
- 第四石油類
- 動植物油類
|
・その他
- 塊状の硫黄等のみを地盤面に設けた囲いの内側で貯蔵し、又は取扱う屋外貯蔵所の基準がある。
- 高引火点危険物のみを貯蔵し、又は取扱う屋外貯蔵所にあっては、基準の特例がある。
- 第2類の危険物のうち引火性固体 (引火点が21度未満のもの)、第4類の危険物のうち第1石油類若しくはアルコール類を貯蔵し、又は取扱う屋外貯蔵所にあっては、位置、構造及び設備について基準を超える特例がある。
● 給油取扱所の基準
・位置
保安距離は製造所の基準を準用。
・構造・設備
- 固定給油設備
給油取扱所で、自動車等に直接給油するために固定された給油設備で、ポンプ機器及びホース機器から構成される。地上部分に設置された固定式、天井に吊り下げる懸垂式がある。
- 給油空地
固定給油設備のホース機器の周囲には、自動車等に直接給油し、給油を受ける自動車等が出入りするための間口10m以上、奥行き6m以上の空地を保有する必要がある。
- 固定給油設備
灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定された容量4,000L以下のタンクに注入するための設備で、ポンプ機器及びホース機器から構成される。地上部分に設置された固定式天井に吊り下げる懸垂式がある。
- 注油空地
固定注油設備のホース機器の周囲には、容器の詰め替え等のために必要な空地を、給油空地以外の場所に保有する必要がある。
- 給油空地及び注油空地は、濡れた危険物が浸透しないための舗装をすること。また濡れた危険物等がその空地以外の部分に流出しないような措置 (排水口及び油分離装置等) を講じる必要がある。
- 給油取扱所には、固定給油設備若しくは固定注油設備に接続する専用タンク又は容量10,000L以下の廃油タンク等を地盤面下に埋没して設けることができる。また、容量600L以下の簡易タンクは防火地域及び準防火地域以外の地域に限り、地盤面上に同一品質の危険物ごとに1基ずつ3基まで設けることができる。
- 専用タンク及び廃油タンク等の構造等は地下タンク貯蔵所の地下貯蔵タンクの例により、簡易タンクの構造等は、簡易タンク貯蔵所の簡易貯蔵タンクの例により設けることとなる。
- 固定給油設備及び固定注油設備に危険物を注入するための配管は、接続する専用タンク又は簡易タンクからの配管のみとする。
- 固定給油設備及び固定注油設備は、漏れるおそれがない等火災予防上安全な構造とするとともに、先端に弁を設けた全長5m以下の給油ホース又は注油ホース及びこれらの先端に蓄積される静電気を有効に除去する装置を設ける必要がある。
- ポンプ機器の構造
固定給油設備及び固定注入設備のポンプ機器の構造としてポンプの最大吐出量が次のとおり定められているほか、油中ポンプ機器の像高等が定められている。
ポンプ機器の最大吐出量 |
油種 |
固定給油設備 |
固定注油設備 |
ガソリン |
50L/min 以下 |
- |
メタノール等及びエタノール |
50L/min 以下 |
- |
軽油 |
180L/min 以下 |
60L/min 以下 |
灯油 |
- |
60L/min 以下 |
- その他の機器の構造
その他のホース機器の構造は規則第25条の2で定められている。
- 給油ホース又は注油ホースの間近の位置に取扱う危険物の品目を表示する。
- 道路境界線
懸垂式の固定給油 (注油) 設備は4m以上、その他の固定給油 (注油) 設備、最大給油 (注油) ホース全長が3m以下のものは4m以上、3mを超え、4m以下のものは5m以上4mを超え5m以下のものは6m以上の間隔を保つ。
- 敷地境界線
固定給油設備は2m以上、固定注油設備は1m以上の間隔を保つ。
- 建築物の壁
2m以上 (開口部がない場合には、1m以上) の間隔を保つ。
- 固定注油設備の固定給油設備からの距離
固定注油設備から固定給油設備の区分と最大給油ホース全長に応じ、4mから6m以上の間隔を保つ必要がある。
- 給油取扱所には、給油又はこれに付帯する業務のための用途の建築物以外の建築物その他の工作物を設けられない。
給油取扱所内に設置できる建築物の用途
- 給油又は灯油若しくは軽油の詰め替えのための作業場
- 給油取扱所の業務を行うための事務所
- 給油、灯油若しくは軽油の詰め替え又は自動車等の点検・整備若しくは洗浄のために給油取扱所に出入りする者を対象とした店舗、飲食店又は展示場
- 自動車等の点検・整備を行う作業場
- 自動車等の洗浄を行う作業場
- 給油取扱所の所有者、管理者若しくは占有者が居住する住居又はこれらの者に係る他の給油取扱所の業務をお行うための事務所
- 給油取扱所の建築物は、壁、柱、床、はり及び屋根を耐火構造又は不燃材料で造り、窓及び出入り口に防火設備を設けなければならない。
- 事務所その他下記を仕様するものは、漏れた可能性の蒸気がその内部に流入しない構造としなければならない。
- 給油取扱所の周囲には、自動車等の出入りする側 (4m以上の道路に面する側) を除き、火災による被害の拡大を防止するための高さ2m以上の耐火構造の、又は不燃材料の塀又は壁を設ける必要がある。
- (以下、ポンプ室を設ける場合の基準) 床は、危険物が浸透しない構造とするとともに、漏れた危険物及び可燃性蒸気が滞留しないように適当な傾斜を付け、かつ、貯留設備を設ける。
- 危険物を取扱うために必要な採光、照明及び換気の設備を設ける。
- 可能性の蒸気が滞留するおそれのある場合は、その蒸気を屋外に排出する設備を設ける。
- 給油取扱所には、給油に支障があると認められる設備は設けられない。
・屋内給油所の基準
- 屋内給油取扱所の定義
屋内給油取扱所とは、建築物内に設置する給油取扱所及びそれ以外のもので、上屋 (キャノピー等) の面積が給油取扱所の敷地面積から事務所等の建築物の1階の床面積を除いた面積の1/3を超えるものとする
- 位置
保安距離、保有空地の規制はない
- 構造・設備
- 建築物内には、消防法施行令別表第一(六)項 (病院、診察所又は助産所、幼稚園又は特別支援学校、特別養護老人ホーム等の福祉施設) に掲げる用途に供するものを有してはならない。
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の壁、柱、床、はり及び屋根を耐火構造とする。ただし、上階がない場合は屋根を不燃材料で造ることができる。
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分とその他の部分との区画は、開口部のない耐火構造の床又は壁とする
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の窓及び出入口 (自動車等の出入口を除く) には、防火設備を設ける必要がある。
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分の1階の2方については壁を設けられない。ただし、一定の措置を講じた場合は1方のみとすることができる。
- 建築物の屋内給油取扱所の上部に上階を有する場合は、漏洩拡大及び上階への炎症を防止するため必要な措置を講ずる必要がある。
- 専用タンクには、危険物の過剰な注入を自動的に防止する設備を設ける。
- 建築物の屋内給油取扱所の用に供する部分には、可燃性蒸気が滞留するおそれのある穴、くぼみ等を設けられない。その他の構造、設備は給油取扱所の例による。
・航空機、船舶、鉄道、圧縮天然ガス等重点設備設置、圧縮水素充填設備 (燃料電池自動車) 設備、自家用給油取扱所、メタノール等又はエタノール等を取扱う給油取扱所の基準
これらの給油取扱所について、特例が定められている。
・顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所 (セルフスタンド) の基準
- 位置
保安距離、保有空地の規制はない
- 構造・設備
- セルフスタンドの表示
顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所である旨を表示しなければならない。
- 顧客用給油設備の構造及び設備
- 給油ホースの先端部に手動開閉装置を備えた給油ノズルを設ける。なお給油ノズルの開閉装置を開放状態で固定できる装置を備える場合、他の安全装置が更に必要となる。
- 給油ノズルは、静電気を有効に除去する構造
- 燃料タンクが満量になった場合に、危険物の供給を自動的に停止する構造の給油ノズル
- 給油ノズルに危険物が被災しない措置 (スプラッシュガード等) を講じる。
- 著しい引張力が加わった場合に安全に分離し、分離した部分から漏えいを防止する構造の給油ホース
- ガソリン及び軽油相互の誤給油を防止できる構造
- 1回の連続した給油量及び給油時間の上限を設定できる構造
- 地震時に危険物の供給を自動的に停止できる構造
- 顧客用固定注油設備の構造および措置
- 注油ホース先端部に開放状態で固定できない手動開閉装置を備えた注油ノズルを設ける。
- 容器が満量になった場合に、危険物の供給を自動的に停止する構造の注油ノズル
- 1回の連続した注油量及び注油時間の条件を設定できる構造
- 地震時に危険物の供給を自動的に停止できる構造
- 顧客用固定給油設備、顧客用固定注油設備及びその周辺の措置
- 顧客用固定給油設備等には顧客用の固定給油設備である旨の表示をする
- 地盤面に車両の停車位置 (給油)、容器の置き場所 (注油) を表示する。
- 給油、注油設備の直近に使用方法、危険物の品目等の表示を行う。
- 衝突防止措置
顧客用固定給油設備等へ顧客の運転する自動車等が衝突することを防止するための対策を施さなければならない (ポールなど)
- 監視卓
顧客自らによる給油作業の監視、規制等を行う制御卓 (コントロールブース) を設けなければならない
- 消火設備
第3種固定式泡消火設備を設置しなければならない。
- 取扱基準
- 給油の制限
顧客は顧客用固定給油設備と顧客用固定注油設備でしか給油等を行えない。
- 給油量、給油時間の上限
給油量、給油時間等の上限を設定する場合は、適正な数値としなければならない。
- 制御卓での監視、制御
- 顧客の給油作業等を直視等により監視すること。
- 顧客が給油作業等を行う場合は、火の気がないことをその他安全上支障のないことを確認してから実施させること。
- 顧客の給油作業等が終了した場合は、顧客の給油作業等が行えない状態にすること。
- 非常時においては、すべての固定給油設備等における危険物の取扱が行えない状態にすること。
- 放送機器等を用いて顧客に必要な指示等をすること。
- その他
顧客に自ら給油等をさせるエタノール等の給油取扱所の基準について、特例が定められている。
● 販売取扱所の基準
・位置
- 保安距離、保有距離の規制はない.
- 店舗 (販売取扱所) は建築物の1階に設置しなければならない。
- 販売取扱所は、第1種 (指定数量の倍数が15以下のもの) と第2種 (指定数量の倍数は15を超え40以下のもの) に区分される
・第一種販売取扱所の構造・設備 (指定数量の倍数が15以下のもの)
- 建築物の店舗部分は壁を準耐火構造とすること、また、店舗部分とその他の部分との隔壁は、耐火構造とする。
- 店舗部分のはりは不燃材料で造り、天井を設ける場合にあっては、天井も不燃材料で造る。
- 店舗部分に上階がある場合にあっては、上階の床を耐火構造とし、上階がない場合にあっては、屋根を耐火構造とし、又は不燃材料で造る。
- 店舗の窓及び出入口には、防火設備を設ける。また、窓又は出入口にガラスを用いる場合は、網入りガラスとする。
- 危険物の配合室には、床面積の制限その他一定の構造及び設備の基準がある。
・第二種販売取扱所の構造・設備 (指定数量の倍数が15を超え、40以下のもの)
第二種販売取扱所には、第一種販売取扱所に比べて、構造および設備について更に厳しい規制がされている。
● 移送取扱所の基準
・位置
- 保安上設置してはならない場所が定められている。
- 移送配管は、設置方法により一定の位置制限 (市街地での道路下埋設は、その深さを原則として1.8m以下にしないこと) がある。
・構造
- 配管等の材料は企画に適合するものを用いる。
- 配管等の構造は、配管等の内圧、移送される危険物の重量等に対して安全なものとする。
- 配管等の接合は原則として溶接によって行い、その方法も一定の基準に適合する必要がある。
- 配管は伸縮吸収措置、漏えい拡散防止措置、可燃性蒸気の滞留防止措置を講じる。
・設備
- ポンプ及び附属設備は一定の基準に適合する必要がある。
- 配管の経路に感震装置、強震計及び通報設備を設ける。
- 警報設備等保安のための設備には予備動力源を設ける。
● 一般取扱所の基準
・位置・構造・設備
位置・構造・設備は製造所の基準を準用する。
指定数量以降の危険物を取扱う施設で、給油取扱所、販売取扱所、移送取扱所に分類されない取扱所は、すべて一般取扱所に該当する。
・基準の特例
- 吹付塗装作業等の一般取扱所
塗装、印刷又は塗布のために第二類又は特殊引火物を除く第四類の危険物のみを取扱い、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 洗浄作業の一般取扱所の特例
洗浄のために危険物を取扱う一般取扱所で、引火点が40度以上の第4類危険物のみを取扱い、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 焼入れ作業等の一般取扱所
焼入れ又は放電加工のために引火点が70度以上の第4類の危険物のみを取扱、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- ボイラー等で危険物を消費する一般取扱所
ボイラー、バーナーその他これらに類する装置で、引火点が40度以上の第4類の危険物のみを消費し、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 充填の一般取扱所
車両に固定されたタンクに液体の危険物 (アルキルアルミニウム等、アセトアルデヒド等及びヒドロキシルアミン等を除く) を注入する施設 (併設して液体の危険物を容器に詰め替える取扱所を含む)。
- 詰め替えの一般取扱所
固定した注油設備によって引火点が40度以上の第4類の危険物のみを容器に詰め替え、又は車両に固定された容量4,000L以下のタンクに注入し、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 油圧装置等を設置する一般取扱所
油圧装置又は潤滑油循環装置を設置する一般取扱所で、高引火点危険物のみを100度未満の温度で取扱い、かつ、指定数量の倍数が50未満の施設。
- 切削装置等を設置する一般取扱所
切削油として危険物を用いた切削装置、研磨装置その他これらに類する装置を設置する一般取扱所で、高引火点危険物のみを100度未満の温度で取扱い、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 熱媒体油循環装置等を設置する一般取扱所
危険物以外のものを加熱するため危険物を用いた熱媒体油循環装置を設置する一般取扱所 (その他これに類するもの) で、高引火点危険物のみを取扱い、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
- 蓄電池設備を設置する一般取扱所
危険物を用いた蓄電池設備を設置する一般取扱所で、第四類の危険物のみを取扱い、かつ、指定数量の倍数が30未満の施設。
・その他
高引火点危険物のみを100度未満の温度で取扱う一般取扱所については、基準の特例が定められ、また、アルキルアルミニウム等及びアセトアルデヒド等を取扱う一般取扱所には、基準を超える特例が定められている。
● 標識・掲示板
製造所には、見やすい箇所に危険物の製造所等である旨を示す標識及び防火に関し必要な事項を示した掲示板を設けなければならない。
・標識
- 製造所等 (移動タンク貯蔵所を除く) の標識は、幅0.3m以上、長さ 0.6m以上、色は時を白色、文字を黒色とし、製造所等の名所 (「危険物給油取扱所」等) を記載しなければならない。
- 移動タンク貯蔵所の標識は、0.3m平方以上0.4m平方以下の、地が黒色の板に黄色の反射塗料等で「危」と表示し、車両の前後の見やすい箇所に掲げなければならない。
・掲示板
- 掲示板は、幅0.3m以上、長さ0.6m以上の白色の地に、文字が黒で、危険物の類、品名及び貯蔵最大数量又は取扱最大数量、指定数量の倍数並びに危険物保安監督者の氏名又は職名を表示しなければならない。
- 給油取扱所にあっては、地を黄赤色、文字を黒色で「給油エンジン停止」と表示した掲示板を設けなければならない。
危険物の表示事項
- 危険物の類
- 危険物の品名
- 危険物の貯蔵最大数量又は取扱最大数量
- 危険物の指定数量の倍数
- 危険物保安監督者の氏名又は職名
- 危険物の性状に応じて、次表の区分に従った注意事項を表示した掲示板を設けなければならない。
危険物の性状と掲示板 |
類 |
危険物 |
掲示板 |
第一類 |
アルカリ金属の過酸化物 |
禁水 |
第二類 |
引火性固体を除くすべて |
火気注意 |
引火性固体 |
火気厳禁 |
第三類 |
カリウム、ナトリウム等禁水性物品 |
禁水 |
自然発火性物品 |
火気厳禁 |
アルキルアルミニウム、アルキルリチウム |
禁水、火気厳禁 |
黄りん |
火気厳禁 |
第四類 |
すべて |
火気厳禁 |
第五類 |
すべて |
火気厳禁 |
掲示板の形状 |
種類 |
サイズ |
地 |
文字 |
禁水 |
0.3m以上 x 0.6m以上 |
青色 |
白色 |
火気注意 |
0.3m以上 x 0.6m以上 |
赤色 |
白色 |
火気厳禁 |
0.3m以上 x 0.6m以上 |
赤色 |
白色 |
- 引火点が21度未満の危険物を貯蔵し、又は取扱う屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、及び地下タンク貯蔵所の注入口及びポンプ設備には、原則として次表の区分に従った表示、取扱う危険物の類、品名及び前注意事項を表示した掲示板を設けなければならない。
掲示板の表示事項 |
施設 |
注入口 |
ポンプ施設 |
屋外タンク貯蔵所 |
屋外貯蔵タンク注入口 |
屋外貯蔵タンクポンプ施設 |
屋内タンク貯蔵所 |
屋内貯蔵タンク注入口 |
屋内貯蔵タンクポンプ施設 |
地下タンク貯蔵所 |
地下貯蔵タンク注入口 |
地下貯蔵タンクポンプ施設 |
◆◇ 消火設備・警棒設備・避難設備の基準 ◇◆
● 消火設備
・種類と適応性
消火設備の種類 |
区分 |
設備 |
第一種消火設備 |
屋内消火栓設備、屋外消火栓設備 |
第二種消火設備 |
スプリンクラー設備 |
第三種消火設備 |
水蒸気消火設備、水噴霧消火設備、不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備 |
第四種消火設備 |
大型消火器 |
第五種消火設備 |
小型消火器、乾燥砂、膨張ひる石、膨張真珠岩、水バケツ、水槽 |
・消火の困難性
区分と消火設備 |
区分 |
設備 |
(1) 著しく消火が困難と認められるの |
(第1種、第2種又は第3種)+第4種+第5種 |
(2) 消火が困難と認められるの |
第4種+第5種 |
(3) (1),(2)以外のもの |
第5種 |
・所要単位と能力単位
所要単位:製造所等に対して、どのくらいの消化能力を有する消火設備が必要なのかを定める単位です。建築物その他の工作物の規模又は危険物の量により、次表に基づき計算する。
能力単位:所要単位に対応する消火設備の消化能力の単位。
所要単位 |
施設・構造および危険物 |
1所要単位あたりの数値 |
製造所 取扱所 |
耐火構造 |
延べ面積 100m2 |
不燃材料 |
延べ面積 50m2 |
貯蔵所 |
耐火構造 |
延べ面積 150m2 |
不燃材料 |
延べ面積 75m2 |
屋外の製造所等 |
外壁を耐火構造とし、水平最大面積を建坪とする建物とみなして算定する。 |
危険物 |
指定数量の 10倍 |
能力単位 |
消火設備 |
種類 |
容量 |
第1~6種の危険物に対するもの |
電気設備及び第四類の危険物を除く対象物に対するもの |
水バケツ又は水槽 |
消火専用バケツ |
8L |
- |
3個で1.0 |
水槽 (消火専用バケツ3個付) |
80L |
- |
1.5 |
水槽 (消火専用バケツ6個付) |
190L |
- |
2.5 |
乾燥砂 |
乾燥砂 (スコップ付) |
50L |
0.5 |
- |
膨張ひる石又は膨張真珠岩 |
膨張ひる石又は膨張真珠岩 (スコップ付) |
160L |
1.0 |
- |
・消火設備の設置方法
能力単位 |
類 |
消火設備の種類 |
設備基準 |
第1種 |
屋内消火栓設備 |
各階ごと、階の各部分からホース接続口まで25m以下 |
屋外消火栓設備 |
防護対象物の各部分からホース接続口まで40m以下 |
第2種 |
スプリンクラー設備 |
防護対象物の各部分から1のスプリンクラーヘッドまで1.7m以下 |
第3種 |
水蒸気消火設備 |
放射能力に応じて有効に設ける |
水噴霧消火設備 |
泡消火設備 |
不活性ガス消火設備 |
ハロゲン化物消火設備 |
粉末消火設備 |
第4種 |
大型消火器 |
防護対象物までの歩行距離が30m以下となるように設ける |
第5種 |
小型消火器 乾燥砂等 |
地下タンク貯蔵所、簡易タンク貯蔵所、移動タンク貯蔵所、給油取扱所、販売取扱所は有効に消火できる位置
その他製造所等は、防護対象物までの歩行距離が20m以下となるように設ける |
● 警報設備
警報設備は、火災、危険物流出等の事故の際に従業員等に早期に周知するため、指定数量の10倍以上の危険物を貯蔵し、または取扱う製造所等 (移動タンク貯蔵所を除く) に火災が発生した場合自動的に作動する火災報知設備その他警報設備を設けなければならない。
・警報設備の種類
- 自動火災報知設備
- 拡声装置
- 消防機関に報知ができる電話
- 警鐘
- 非常ベル装置
・警報設備の設置基準
警報設備の設置基準 |
区分 |
貯蔵・取扱数量等 |
設置すべき警報設備 |
製造所 一般取扱所 |
- 延べ面積500m2以上のもの
- 屋内でも指定数量の倍数が100以上のもの (高引火点危険物を100度未満の温度で取扱うものを除く)
- 一般取扱所の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設けるもの (完全耐火区画のものを除く)
|
自動火災報知設備 |
屋内貯蔵所 |
- 指定数量の倍数が100以上のもの (高引火点危険物を除く)
- 延べ面積150m2を超えるもの (150m2以内ごとの不燃区画があるもの、貯蔵危険物が第二類、第四類 (引火性固体、引火点70度未満の第四類の危険物を除く) のみのものは延べ面積 500m2以上)
- 一般取扱所の用に供する部分以外の部分を有する建築物に設けるもの (完全耐火区画のものを除く)
- 軒高が6m以上の平屋建のもの
- 屋内貯蔵所の用に供するぶぶ以外の部分を有する建築物に設けるもの (完全耐火区画のもの。貯蔵危険物が第二類引火性固体、第四類引火点70度未満の危険物を除く)
|
屋外タンク貯蔵所 |
|
屋内タンク貯蔵所 |
- 改装設置の屋内タンク貯蔵所で著しく消火困難に該当するもの
|
給油取扱所 |
- 一方開放の屋内給油取扱所
- 上部に上階を有する屋内給油取扱所
|
それ以外 (自動火災報知設備を有しない) の製造所等 (移送取扱所を除く) |
|
次のうち1種類以上
- 消防機関に通報できる電話
- 非常ベル装置
- 拡声装置
- 警鐘
|
● 避難設備
火災時に避難する方向を分かりやすくするために、特定の給油取扱所に避難設備 (誘導灯) の設置が義務付けられている。
避難設備 |
区分 |
設置対象 |
設置すべき避難設備 |
給油取扱所 |
建築物の2階の部分を店舗等の用途に供するもの又は一方開放の屋内給油取扱所のうち給油取扱所の敷地外へ直接通ずる避難口を設ける事務所等を有するもの |
誘導灯 |
◆◇ 貯蔵・取扱の基準 ◇◆
● 共通基準
いずれの製造所等にも共通する技術上の基準として、次のようなものがある。
- 許可若しくは届け出された数量若しくは指定数量の倍数を超える危険物又はこれらの許可若しくは届出された品名以外の危険物を貯蔵し、又は取扱わない
- みだりに火気を使用したり、係員以外の者を出入りさせない
- 常に整理および清掃を行うとともに、みだりに空き箱の他の不要な物件を置かない。
- 貯留設備又は油分離装置にたまった危険物は、あふれないように随時くみ上げる。
- 危険物のくず、かす等は1日に1回以上危険物の性質に応じ安全な場所及び方法で処理する。
- 危険物を貯蔵し、又は取り扱っている建築物等においては、当該危険物の性質に応じた有効な遮光又は換気を行う。
- 危険物は、温度計、圧力計等の計器を監視し、当該危険物の性質に応じた適正な温度、湿度又は圧力を保つように貯蔵し、又は取扱う。
- 危険物を貯蔵し、又は取扱う場合には、危険物が漏れ、あふれ、又は飛散しないように必要な措置を講ずる・
- 危険物を貯蔵し、又は取扱う場合には、危険物の変質、異物の混入等により、基kんぶつの危険性が増大しないように必要な措置を講ずる。
- 危険物の残存している設備、機械器具、容器等を修理する際は、安産な場所において危険物を完全に除去した後に行う。
- 危険物を容器に収納して貯蔵し、又は取扱うときは、その容器は危険物の性質に適応し、かつ、破損、腐食、さけめ等がないようにする。
- 危険物を収納した容器を貯蔵し、又は取扱う場合は、みだりに転倒させ、衝撃を加え、又は引きずる等粗暴な行為をしない。
- 可燃性の液体、蒸気、ガスが漏れたり滞留するおそれのある場所又は可燃性の微粉が著しく浮遊する恐れのある場所では、電源と電気器具とを完全に接続し、かつ、火花を発するものを使用しない。
- 危険物を保護液中に保存する場合は、保護液から露出しないようにする。
● 類ごとの共通基準
類ごとの共通基準 |
類別 |
共通基準 |
第一類 |
可燃物との接触若しくは混合、分解を促す物質との接近又は加熱、衝撃若しくは摩擦を避けるとともに、アルカリ金属との過酸化物 (含有するものを含む) にあっては、水の接触を避ける。 |
第二類 |
酸化剤との接触若しくは混合、炎、火花若しくは高温体との接近又は過熱を避けるとともに、鉄粉、金属粉及びマグネシウム (いずれかを含有するものを含む) にあっては、水又は酸との接触を避け、引火性固体にあってはみだりに蒸気を発生させないこと。 |
第三類 |
自然発火性物品 (アルキルアルミニウム、アルキルリチウム及び黄りん等) にあっては炎、火花若しくは高温体との接近、過熱又は空気との接触を避け、禁水性物品にあっては、水との接触を避けること。 |
第四類 |
炎、火花若しくは高温体との接近又は過熱を避けるとともに、みだりに蒸気を発生させないこと。 |
第五類 |
炎、火花若しくは高温体との接近、過熱、衝撃又は摩擦を避ける。 |
第六類 |
可燃物との接触若しくは混合、分解を促す物品との接近又は過熱を避けること。 |
● 貯蔵の基準
- 危険物以外の物品の貯蔵
貯蔵所において、危険物以外の物品を貯蔵した場合の発火危険、延焼拡大危険があることから、原則として同時貯蔵はできないこととされている。ただし、次に掲げる場合は、危険物と危険物以外の物品を同時貯蔵できる。
- 屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において、下表の危険物と危険物以外の物品とをそれぞれまとめて貯蔵し、かつ相互に1m以上の間隔を置く場合。
危険物の種類 |
危険物以外の物品 |
第二類の引火性固体と第四類を除いたもの |
当該危険物が属する類の危険物を主成分として含有する物品で危険物以外の物品となるもの。 |
すべてのもの |
危険物に該当しない不燃性の物品 (貯蔵する危険物及び危険物以外の物品と危険な反応を起こさないものに限る。) |
第二類の引火性固体 |
- 可燃性固体類
- 可燃性液体類
- 合成樹脂類
- 上記1~3のいずれかを主成分として含有するが危険物以外の物品となるもの
|
第四類 |
- 可燃性固体類
- 可燃性液体類
- 合成樹脂類
- 上記1~3のいずれかを主成分として含有するが危険物以外の物品となるもの
- 第四類を主成分として含有するもので危険物以外の物品
|
第四類/有機化酸化物又はこれを含有するもの |
有機化酸化物又は有機化酸化物のみを含羞するもので危険物以外の物品となるもの。 |
第一類、第二類、第五類の危険物 (指定されたもので火薬類に該当する危険物) |
危険物に該当しない火薬類 |
- 屋外タンク貯蔵所、屋内タンク貯蔵所、地下タンク貯蔵所又は移動タンク貯蔵所において下表の危険物以外の物品とそれぞれ貯蔵する場合
危険物の種類 |
危険物以外の物品 |
第四類 |
- 可燃性固体類
- 可燃性液体類
- 合成樹脂類
- 上記1~3のいずれかを主成分として含有するが危険物以外の物品となるもの
- 第四類を主成分として含有するもので危険物以外の物品
|
第六類 |
- 第六類を主成分として含有する危険物以外の物品
- 危険物に該当しない不燃性の物品
|
- 異なる類の危険物の貯蔵
類を異にする危険物は、その危険性が異なるため同一貯蔵をした場合には災害発生危険を高め、発災した場合の災害の拡大を著しくする危険性が高く、また、消火方法も異なることから、原則として同時貯蔵はできないこととされている。 (耐火構造の隔壁で完全に区分された室が2以上ある貯蔵所においては同一の室)
ただし、屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所において下記の危険物を類別ごとにそれぞれとりまとめて貯蔵し、かつ、相互に1m以上の間隔を置く場合は同時貯蔵することができる。
- 第一類 (アルカリ金属の過酸化物とその含有品を除く。) と第五類
- 第一類と第六類
- 第二類と自然発火性物質 (黄りんとその含有品に限る)
- 第二類 (引火性固体) と第四類
- アルキルアルミニウム等と第四類のうちアルキルアルミニウム等の含有品
- 第四類 (有機化酸化物とその含有品) と第五類 (有機化酸化物とその含有品)
- 第四類と第五類のうち1-アリルオキシ-2,3-エポキシプロパン若しくは4-メチリデンオキセタン-2-オン又はこれらのいずれかの含有品
- その他
- 屋内貯蔵所及び屋外貯蔵所において危険物を貯蔵する場合の容器の積重ね高さは、3m (第三石油類、第四石油類及び動植物油類を収納する容器のみを積重ねる場合にあっては4m、機械により荷役する構造を有する容器のみを積重ねる場合にあっては6m) 以下とする。
- 屋外貯蔵所において危険物を収納した容器を架台で貯蔵する場合の貯蔵高さは6m以下とする。
- 屋内貯蔵所、屋外貯蔵所における危険物の貯蔵は、原則として基準に適合する容器に収納し、貯蔵する。
- 屋内貯蔵所においては、容器に収容して貯蔵する危険物の温度が55度を超えないよう必要な措置を講ずる。
- 屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク、地下貯蔵タンク又は簡易貯蔵タンクの計量口は、軽量する時以外は閉鎖しておく
- 屋外貯蔵タンク、屋内貯蔵タンク、又は地下貯蔵タンクの元弁及び注入口の弁又はふたは、危険物を入れ、又は出すとき以外は、閉鎖しておく。
- 屋外貯蔵タンクの周囲に設ける防油堤の水抜口は通常閉鎖しておき、防油堤内部に滞油し、又は滞水した場合は、速やかに排出する。
- 移動貯蔵タンクには、取扱う危険物の類、品名及び最大数量を表示する。
- 移動貯蔵タンクの安全装置、配管は、さけめ、結合不良、極端な変形、注入ホースの切損等による漏れが起こらないようにし、タンクの底弁は使用時以外は完全に閉鎖しておく。
- 非けん引自動車に固定された移動貯蔵タンクにあっては、非けん引自動車にけん引自動車を結合しておく。ただし、非けん引自動車を車両 (鉄道又は軌道上の車両をいう。) に積込み、又は車両から取り卸す場合で一定の措置を講じたときにはこれを適応しない。
- 積載式移動タンク貯蔵所以外の移動タンク貯蔵所にあっては、危険物を貯蔵した状態でタンクの積替えを行わない。
- 移動タンク貯蔵所には下記の書類を備え付けておく。
- 完成検査済証
- 定期点検記録
- 譲渡・引渡の届出書
- 品名・数量又は指定数量の倍数の変更の届出書
- アルキルアルミニウム等を貯蔵し、又は取扱う移動タンク貯蔵所には緊急時における連絡先等を記録した書類並びに防護服、ゴム手袋、弁等の締付け工具及び携帯用拡声器を備えておく。
- 塊状の硫黄等の屋外貯蔵所にあっては、硫黄等を囲いの高さ以下に貯蔵し、あふれ、又は飛散しないように囲い全体を難燃性又は不燃性のシートで覆い、シートを囲いに固着しておく。
● 取扱いの基準
取扱いの基準 |
取扱いの別 |
技術上の基準 |
製造 |
- 蒸溜工程においては、圧力変動等により液体、蒸気又はガスが漏れないようにする。
- 抽出工程においては、圧力の異常上昇が起こらないようにする。
- 乾燥工程においては、危険物の温度が局部的に上昇しない方法で加熱し又は乾燥させる
- 危険物の粉末が著しく浮遊し、又は、それが付着した状態で機械器具を使用しない。
|
詰替 |
- 危険物を容器に詰替える場合は、規則別表第3及び第3の2で定める容器に収納するとともに防火上安全な場所で行う。
|
消費 |
- 吹付塗装作業は、防火上有効な隔壁等で区画された安全な場所で行う。
- 焼入れ作業は、危険物が危険な温度にならないようにする
- 染色又は洗浄作業は、換気をよくして行い、生じる廃液は適正に処置する
- バーナーを使用する場合は、逆火防止と燃料のあふれに注意する
|
廃棄 |
- 焼却する場合は、安全な場所で他に危害を及ぼさない方法で行い、見張人をつける
- 危険物は、海中や水中に流出又は投下しないこと、また、埋没する場合は、その声質に応じ安全な場所で行う。
|
● 施設区分ごとの取扱いの基準
施設区分ごとの取扱い基準 |
施設区分 |
技術上の基準 |
給油取扱所 |
- 給油するときは固定給油設備 (計量機) を使用し、直接給油する。
- 給油するときは、自動車等のエンジンを停止して行い、給油空地から自動車等をはみ出さない。
- 固定注油設備から灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定されたタンクに注入するときは、容器又は車両が所定の空地からはみ出されたままで灯油若しくは軽油を容器に詰め替え、又は車両に固定されたタンクに注入しない。
- 移動貯蔵タンクから専用タンク又は廃油タンク等に危険物を注入するときは、移動タンク貯蔵所を注入口の付近に停車させる。
- 給油取扱所の専用タンク又は簡易タンクに危険物を注入するときは、タンクに接続する固定給油設備又は固定注油設備の使用を中止するとともに、自動茶等をタンクの注入口に近づけない。
- 固定給油設備又は固定注油設備には、その固定給油設備又は固定注油設備に接続する専用タンク又は簡易タンクの配管以外のものによって、危険物を注入しない。
- 自動車等に給油するとき等は、固定休ゆ設備又は専用タンク注入口若しくは通気管の周囲においては、他の自動車が駐車することを禁止するとともに、自動車等の点検若しくは整備又は洗浄を行わない。
- 屋内給油取扱所の通風、避難等のための空地には、自動車等が駐車または停車することを禁止するとともに、避難上支障となる物件を置かない。
- 一方開放の屋内給油取扱所においては専用タンクに引火点が40度未満の危険物を注入するときは、可燃性の蒸気の放出を防止するため、可燃性蒸気回収設備により行う。
- 物品の販売等の業務は、原則として建築物の1階のみで行う。
- 自動車等の洗浄は、引火点を有する液体の洗剤を使用しない。
- 給油の業務が行われていないときは、係員以外の者の出入りをさせないため必要な措置を講ずる。
- メタノール等又はエタノール等を自動車等に給油し、又は車両に固定されたタンク及び容器から専用タンク若しくは簡易タンクに注入するときは、排水溝を切替弁により漏れた危険物を収容する設備に接続し、漏れた危険物を収容できるようにする。
- メタノール又はエタノールを取扱う専用タンク及び簡易タンクの注入口の弁は、注入ほーすが緊結されているとき以外は閉鎖する。
|
販売取扱所 |
- 運搬容器の基準に適合した容器に収納し、容器入りのままで販売する。
- 危険物の配合は、配合室以外では行わない。
|
移動タンク貯蔵所 |
- 危険物を貯蔵し又は取扱うタンクに危険物を注入する際は、注入ホースを注入口に緊結する。ただし、所定の注入ノズルで指定数量未満のタンクに引火点40度以上の段四類の危険物を注入する場合は、この限りではない。
- 移動貯蔵タンクから液体の危険物を容器に詰め替えない。ただし次により規則別表第3の2に定める容器に詰め替える場合は、この限りではない。
- 詰め替えできる危険物は、引火点40度以上の第四類の危険物に限られる。
- 注入ホースの先端部に手動開閉装置付の注入ノズル (開放の状態で固定する装置のものを除く) で行わなければならない。
- 安全な注油速度で行わなければならない。
- 静電気による災害の発生するおそれのある危険物を移動貯蔵タンクに注入するときは、注入管の先端を底部に着けるとともに接地して出し入れを行う。
- 引火点40度未満の危険物を注入する場合は移動タンク貯蔵所のエンジンを停止して行う。
- ガソリンを貯蔵していた移動貯蔵タンクに灯油又は軽油を注入するとき、灯油又は軽油を貯蔵していた移動貯蔵タンクにガソリンを注入するときは、静電気等による災害を防止するための措置を講ずる。
|
◆◇ 運搬および移送の基準 ◇◆
● 運搬の基準
危険物の運搬とは、車両等によって危険物を1の場所から他の場所へ移すことをいい、これに関する規程は、指定数量未満の危険物についても運用される。
- 運搬容器
運搬容器は機械により荷役する構造を有するものとそれ以外に分けられる。
- 運搬容器の材質は、鋼板、アルミニウム板、ブリキ板、ガラス等と定められている。
- 運搬容器の構造は、堅固で用意に破損するおそれがなく、かつ、その口から収納された危険物が漏れるおそれがないものでなければならない。
- 運搬容器の構造及び最大容積は、危険物の類別及び危険等級に応じて危険により荷役する構造を有する容器以外で固体の危険物を収納するものにあっては規則別表第3、液体の危険物を収納するものにあっては規則別表第3の2で定められ、機械により荷役する構造を有する容器で固体の危険物を収納するものにあっては規則別表第3の3、液体の危険物を収納するものにあっては、規則別表第3の4で定められている。機械により荷役する構造を有する容器に限っては、更に次の基準に適合しなければならない。
- 運搬容器は、腐食等の劣化に対して保護されたもの
- 運搬容器は、収納する危険物の内圧及び取扱い時や運搬時の荷重によって、容器に生じる応力に対して安全なもの
- 運搬容器の付属設備には、収納する危険物が附属設備から漏れない措置が講じられたもの
- 枠で囲まれた運搬容器の場合や、下部に排出口を有する運搬容器の場合は、ある一定の要件を満たしたもの
- 運搬容器の種類に応じ告示で定める要件を満たしたもの
- 運搬容器の西濃は、原則として落下試験等の基準に適合したものでなければならない
- 危険物は、危険性の程度に応じて、危険等級I、危険等級II及び危険等級IIIに区分されている。
- 積載方法
- 原則として危険物は、運搬容器に収納して積載しなければならない。
- 危険物の収納は、温度変化等により危険物が漏れないように密封して収納しなければならない。
- 危険物は、収納する危険物と危険な反応を起さない等危険物の性質に適応した材質の運搬容器に収納しなければならない。
- 固体の危険物は、内容関の95%以下の収納率で収納しなければならない。
- 液体の危険物は、内容関の98%以下の収納率であって、かつ55度の温度において漏れないように十分な空間容積を有して収納しなければならない。
- 機械により荷役する構造を有する運搬容器への収納は、上記に掲げる他に適合要件がある。
- 運搬容器の外部には、次に内容を表示し積載しなければならない。
- 危険物の数量
- 収納する危険物に応じた次の注意事項
種類別 |
品名 |
注意事項 |
第一類 |
アルカリ金属の過酸化物、この含有品 |
「火気・衝撃注意」 「可燃物接触注意」 「禁水」 |
その他のもの |
「火気・衝撃注意」 「可燃物接触注意」 |
第二類 |
鉄粉、金属粉、マグネシウム、これらの含有品 |
「火気注意」 「禁水」 |
引火性固体 |
「火気注意」 |
その他のもの |
「火気注意」 |
第三類 自然発火性物品 |
すべて |
「空気接触厳禁」 「火気厳禁」 |
第三類 禁水性物品 |
すべて |
「禁水」 |
第四類 |
すべて |
「火気厳禁」 |
第五類 |
すべて |
「火気厳禁」 「衝撃注意」 |
第六類 |
すべて |
「可燃物接触注意」 |
- 機械により荷役する構造を有する運搬容器の外部表示には上記の他に、次の内容が必要である。
- 運搬容器の製造年月日及び製造者の名称
- 積重ね試験荷重
- 運搬容器の種類に応じて最大総重量又は最大収容重量
- 運搬容器の種類に応じ、告示で定める事項
- 危険物は、運搬容器等が転落、落下、転倒又は破損しないように積載しなければならない。
- 運搬容器は、収納口を上方に向けて積載しなければならない。
- 次表の危険物は、その性質に応じて有効に被覆する等必要な措置を講じて積載しなければならない。
危険物の種類 |
必要な措置 |
第一類の危険物、自然発火性物品、第四類の特殊引火物、第五類の危険物、第六類の危険物 |
日光の直射を避けるために遮光性の被覆で覆う。 |
第一類の危険物のうちアルカリ金属の過酸化物若しくはこれを含有するもの、第二類の危険物のうち鉄粉、金属粉、マグネシウム若しくはこれらのいずれかを含有するもの又は禁水性物品 |
雨水の浸透を防ぐため防水性の被覆で覆う。 |
第五類の危険物のうち55℃以下の温度で分解するおそれのあるもの |
保冷コンテナに収納する等適正な温度管理をする。 |
- 機械により荷役する構造を有する運搬容器で液体の危険物又は危険等級IIの固体の危険物を収納して積載する場合は、原則として衝撃等を防止する措置を講じなければならない。
- 同一車両において異なった類の危険物を積載し、運搬する場合においては、次のように根菜禁止のものがある
|
第一類 |
第二類 |
第三類 |
第四類 |
第五類 |
第六類 |
第一類 |
|
× |
× |
× |
× |
○ |
第二類 |
× |
|
× |
○ |
○ |
× |
第三類 |
× |
× |
|
○ |
× |
× |
第四類 |
× |
○ |
○ |
|
○ |
× |
第五類 |
× |
○ |
× |
○ |
|
× |
第六類 |
○ |
× |
× |
× |
× |
|
- この表は、指定数量1/10以下の危険物については、適用しない
- 高圧ガス保安法第2条各号に掲げる高圧ガス (告示で定めるものを除く) とは混載が禁止されている。告示で定める高圧ガスは以下のとおり。
- 内容量が120L未満の容器に充填された不活性ガス
- 内容量が120L未満の容器に充填された液化石油ガス又は圧縮天然ガス (第四類の危険物と混載する場合に限る・)
- 内容積が120L未満の容器に充填されたアセチレンガス又は酸素ガス (第四類第三石油類又は第四類石油類の危険物と混載する場合に限る。)
- 危険物を収納した運搬容器を積重ねる場合は高さ3m以下としなければならない。
- 運搬方法
危険物又は危険物を収納した運搬容器に著しい摩擦、同様が起きないように運搬し、又、運搬中危険物が著しく漏れる等災害が発生するおそれのある場合は、応急措置を講ずるとともに、もよりの消防機関へ通報しなければならない。また、特に指定数量以上の危険物を運搬する場合には次の規則がある。
- 車両の前後の見やすい場所に一定の標識を掲げなければならない。
- 休憩等のため車両を一時停止させるときは、安全な場所を選び、かつ打っp何する危険物の保安に注意しなければならない。
- 運搬する危険物に適応する消火設備を備えなければならない。
● 移送の基準
移送とは、移動タンク貯蔵所 (タンクローリー) により危険物を運ぶ行為をいい、移動タンク貯蔵所により危険物を移送する場合には次の基準がある。
- 危険物を移送する移動タンク貯蔵所には、移送する危険物を取扱うことができる資格を持った危険物取扱者が乗車するとともに、危険物取扱者免状を携帯しなければならない。
- 危険物を移送する者は、移送の開始前に、移動貯蔵タンクの底弁、マンホール及び注入口のふた、消火器等の点検を十分に行うとともに、長時間 (連続運転時間が4時間を超える、又は、1日当たりの運転時間が9時間を超える。) にわたるおそれがある移送の場合には、原則として2名以上の運転要員を確保しなければならない。
- 休憩棟のため移動タンク貯蔵所を一時停止させるときは、安全な場所を選ばなければならない。
- 危険物を移送する者は、移動貯蔵タンクからの漏油等災害発生のおそれのある場合は、応急措置を講じるとともに消防機関等に通報ししなければならない。
- アルキルアルミニウム等を移送する場合は、移送の経路等を記載した書面を関係消防機関に送付するとともに、書面の写しを携帯し、書面に記載された内容に従わなければならない。
- 移動タンク貯蔵所には、
- 完成検査証
- 定期点検記録
- 譲渡・引渡の届出書
- 品名・数量又は指定数量の倍数の変更の届出書
を備え付けておかねばならない。
移送と運搬の違い |
区分 |
内容 |
免状 |
許可 |
標識・消火設備 |
移送 |
移動タンク貯蔵所 (タンクローリー) |
移送する危険物を取扱うことができる危険物取扱者免状を所持した危険物取扱者が運転又は同乗する 危険物取扱者は免状を携帯する義務がある |
必要 |
標識・消火設備の設置義務 |
運搬 |
運搬容器 (ドラム缶、18L缶など) を車両ごとに積載して運ぶこと (混載禁止規定がある) |
免状の有無は問わない |
不要 |
指定数量以上の場合は標識・消火設備の設置義務がある。指定数量未満は設置義務の必要はない |
◆◇ 行政命令等 ◇◆
● 義務違反に対する措置
- 義務違反と措置命令
製造所等の所有者、管理者又は占有者は、それぞれ下記に該当する事項又は事案が発生した場合は、市町村長等からそれぞれに該当する措置命令を受けることがある。
命令を受けた場合、標識の設置その他の方法により、その旨を講じされることがある
措置命令の種類 |
該当事項 |
危険物の貯蔵・取扱い基準順守命令 |
製造所等において危険物の貯蔵又は取扱いが技術上の基準に違反しているとき。 |
危険物施設の基準適合命令 (修理・改造又は移転の命令) |
製造所等の位置、構造及び設備が技術上の基準に違反しているとき。(製造所等の所有者、管理者又は占有者で権限を有するものに対して行う。) |
危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令 |
危険物保安統括管理者若しくは危険物保安監督者が消防法若しくは消防法に基づく命令の規定に違反したとき、又はこれらの者にその業務を行わせることが公共の安全の維持若しくは災害の発生の防止に支障を及ぼすおそれがあると認めるとき。 |
予防規定変更命令 |
火災の予防のため必要があるとき。 |
危険物施設の応急措置命令 |
危険物の流出その他の事故が発生したときに、応急の措置を講じていないとき。 |
移動タンク貯蔵所の応急措置命令 |
管轄する区域にある移動タンク貯蔵所について、きけんぶつの流出その他の事故が発生したとき。 |
- 無許可貯蔵等の危険物に対する措置命令
市町村長等は、指定数量の危険物について、仮貯蔵、仮取扱いの承認又は製造所等の許可を受けないで貯蔵し、又は取扱っている者に対し、危険物の除去、災害防止のための必要な措置について命ずることができる。
- 許可の取り消しと使用停止
- 許可の取り消し、又は使用停止命令
製造所等の所有者管理者又は占有者は、次の事項に該当する場合は、市町村長等から設置許可の取り消し、又は期間を定めて施設の使用停止命令を受けることがある。
該当事項 |
- 位置、構造又は設備を無許可で変更したとき … 無許可変更
- 完成検査済証の交付前に使用したとき又は仮使用の承認を受けないで使用したとき … 完成検査前使用
- 位置、構造、設備にかかわる措置命令に違反したとき … 措置命令違反
- 政令で定める屋外タンク貯蔵所又は移動取扱所の保安の検査を受けないとき … 保安検査未実施
- 定期点検の実施、記録の作成、保存がなされないとき … 定期点検未実施
|
- 使用停止命令
製造所等の所有者、管理者又は占有者は、次の事項に該当する場合は、市町村長等から期間を定めて施設の使用停止命令を受けることがある
該当事項 |
- 危険物の貯蔵、取扱いの基準の順守命令に違反したとき。ただし移動タンク貯蔵所については、市町村長の管轄区域において、その命令に違反したとき。
- 危険物保安統括管理者を定めないとき又はその者に危険物の保安に関する業務を統括管理させていないとき。
- 危険物保安監督者を定めないとき又はその者に危険物の取扱作業に関して保安の監督をさせていないとき。
- 危険物保安統括管理者又は危険物保安監督者の解任命令に違反したとき
|
- 緊急使用停止命令
法第12条の2の使用停止命令は、法令違反の事実を前提としているが、それ以外にも、公共の安全の維持又は災害の発生の防止のため緊急の必要があると認めるときは所有者、管理者又は占有者に対し、市町村長等から施設の一時停止又は使用制限の命令がなされることがある。
- 危険物取扱者免状返納命令
危険物取扱者が消防法の規定に違反しているときには、免状を交付した都道府県知事から免状の返納を命ぜられることがある。
- 立入検査等
- 立入検査
市町村長等は、危険物による火災防止のため必要があると認めるときは、指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取扱っていると認められるすべての場所の所有者、管理者又は占有者に対し、資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員をその場所に立入らせ、検査、質問、若しくは危険物の収去をさせることができる。
- 走行中の移動タンク貯蔵所の停止
消防吏員又は警察官は、火災の防止のため、特に必要があると認めるときは、走行中の移動タンク貯蔵所を停止させ、乗車している危険物取扱者に対し、危険物取扱者免状の提示を求めることができる。
- 罰則規定
指定数量以上の危険物を貯蔵し、又は取扱う場合は、災害の発生危険及び公共の安全に対する影響が大きいことから、法令上各種の基準が定められており、この実効性を担保する意味から、次のような罰則規定が定められている。(罰食は省略)
● 事故時の措置
- 事故発生時の応急措置
- 製造所等の所有者、管理者又は占有者は、製造所等について、危険物の流出その他の事故が発生したときは、直ちに応急の措置を講じなければならない。
- 市町村長等は、上記の応急措置が講じられていないと認められた場合は、所有者等に対し応急措置を講じるように命令することができる。
- 事故発見者の通報義務
事故発見者は、直ちに消防署、市町村長等の指定した場所、警察署又は会場警備救難機関に通報しなければならない。
- 危険物流出等事故の原因調査
市町村長等は、危険物流出等の事故原因の調査のため必要があるときは、危険物流出等の事故が発生した製造所、貯蔵所若しくは取扱所その他当該事故の発生と密接な関係を有すると認められる場所の所有者、管理者若しくは占有者に対し、資料の提出を命じ、若しくは報告を求め、又は当該消防事務に従事する職員にその場所に立入らせ、検査若しくは質問させることができる。
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